意外と知らない「首都直下地震」が恐ろしい「本当の理由」
2024年1月1日、能登半島地震が発生した。大地震はいつ襲ってくるかわからないから恐ろしいということを多くの人が実感した出来事だった。昨年には南海トラフ「巨大地震注意」が発表され、大災害への危機感が増している。 【写真】日本人が青ざめる…突然命を奪う大災害「最悪すぎるシミュレーション」 もはや誰もが大地震から逃れられない時代、ベストセラーの話題書『首都防衛』では、知らなかったでは絶対にすまされない「最悪の被害想定」が描かれ、また、防災に必要なデータ・対策が1冊にまとまっている。 (※本記事は宮地美陽子『首都防衛』から抜粋・編集したものです)
首都直下地震が「恐ろしい理由」
首都・東京をいつか襲うと言われている「首都直下地震」、その恐ろしさを本当に理解している人はどれだけいるだろうか? 〈首都直下地震が恐ろしい理由の一つは、震源がどこになるのか想定しにくいことにある。 国の中央防災会議は首都機能がダメージを受ける12のパターンを想定する。 経済や政治、行政が直接的な被害を受ける「都心南部」「都心東部」「都心西部」の3つと、空港や高速道路、石油コンビナートなどの首都機能を支える「さいたま市」「千葉市」「市原市」「立川市」「横浜市」「川崎市」「東京湾」「羽田空港」「成田空港」の直下で起きる9つのパターンだ。 どこで発生するのかによっても被害は大きく変化する。〉(『首都防衛』より) これだけのパターンがあり、それぞれ被害の大きさも性質も異なる。 まずはそのことを知ることが重要だ。
東京の「揺れやすい場所」はどこか
東京都の被害想定は、思いのほか具体的である。 〈東京都が公表した「都心南部直下地震」の被害想定を見ると、東京都内で全壊棟数、死者数、負傷者数ともに最多なのは、23区の北東部にある足立区だ。 荒川と隅田川に挟まれる千住地区などは平坦な低地で、泥と砂が堆積した軟らかい地盤であるため、地震の揺れが増幅しやすいと言われている。 足立区を含めた江東区、江戸川区、墨田区、葛飾区の5区は全域が低地で、一部では地表面の海抜が満潮時の海の高さよりも低い「海抜ゼロメートル地帯」になっている。〉(『首都防衛』より) 東京や関東圏で生活している人にとって、いまのうちから被害想定を知っておくことで、「そのとき」に備えることができるはずだ。 つづく「『まさか死んでないよな…』ある日突然、日本人を襲う大災害『最悪のシミュレーション』」では、日本でかなりの確率で起こり得る「恐怖の大連動」の全容を具体的なケース・シミュレーションで描き出している。
現代新書編集部