白と黒の2層カレーうどん 付け合わせは「おちょこ寿司」
一見するととてもカレーうどんに見えない「白いカレーうどん」が絶好調なのが、神戸の「伝統自家製麺 い蔵 岡本店」。10年ほど前からあるメニューだが、今や同店の人気ベスト3に入るほどのヒットメニューとして成長。成功のポイントは、女性を意識したメニュー開発にある。 【写真で見る】白と黒の2層カレーうどん
“トキメキ”で女性客ガッチリ
同店があるのは、教育機関が集結したおしゃれで洗練されたイメージがあるエリア。「近隣には小学校も多く、ママ友をはじめ女性が落ち着いて食事ができる“大人っぽいうどん店”をコンセプトにオープンしました」と、運営する力丸の中尾隆社長。狙い通り、今や女性客が8割を占め、40代から60代のマダム層 も多く利用する人気店となっている。 同店の大人気メニュー「白いカレーうどん」は、「最初の見た目から“トキメキ”を与えたいと考案したもの。箸を入れると2度目の驚きがあり、層が混じるとラテアートのような楽しさもある」と、中尾社長。 表面の白い層は、ジャガイモと生クリームのポタージュ。その下をうかがうと、黒いカレーが顔を出す。甘いポタージュとスパイシーなカレーが合体することで、ちょうどよい味になるように計算されている。 サイドメニューで好評なのが「おちょこ寿司」。「うどんとご飯もののセットは、女性にはボリュームがありすぎる。もうちょっとだけ食べたい人に」と開発したもので、こちらもキーワードは“トキメキ”だ。 酢飯を入れたおちょこに、多彩な魚介をこんもりと盛り付けた、かわいくて見た目も美しい一品である。同店では刺身も提供しており、端材を有効活用している。また、インパクトある「飛び出るトロたく」も、シェアして食べる人が多い人気メニューとなっている。 夜の宴会需要も好調で業績は順調に伸びており、今後の店舗展開も計画中とか。「い蔵は現在2店舗あり、ブランドが確立されてきた。雰囲気がマッチする街での、地域密着の店づくりを目指したい」と、中尾社長は展望を語る。 【店データ】「伝統自家製麺 い蔵 岡本店」 経営=力丸/店舗所在地=神戸市東灘区岡本1ー3ー3/開業=2006年1月/坪数・席数=約60坪・70席/営業時間=11時~15時、17時~22時。無休/平均客単価=昼1150円、夜2400円/1日平均集客数=250人
日本食糧新聞社