誕生から10年、最新Apple Watch Series 10は使いやすさ「底上げ」
艶やかな光沢が魅力のアルミニウム「ジェットブラック」
■艶やかな光沢が魅力のアルミニウム「ジェットブラック」 アルミニウムケースのモデルには新色の「ジェットブラック」がある。これまでApple Watchのアルミニウムケースはマットな質感だった。ジェットブラックはアルミニウムケースをナノ粒子で研磨した後に、30段階の酸化皮膜処理を施して艶やかな光沢感を持たせた。ほかのローズゴールド、シルバーとはひと味違う高級感がある。今シーズン一番の人気を獲得しそうだ。 Series 10にはステンレススチールのケースがない。代わりにジュエリーのようにまぶしく輝くチタニウムケースの3色を加えた。チタニウムのケースはステンレススチールよりも20%ほど軽い。 デザインの細部に注目すると、従来セルラーモデルの目印としてきたDigital Crownの赤いリングが廃止されている。全体に色彩が統一されたデザインは好感が持てる。 ■明るくなったディスプレイ。スタンバイ時に秒針も表示 Series 10はRetinaディスプレイの表示エリアが拡大した。46ミリケースのモデルは、45ミリのSeries 9よりも約7%、49ミリケースのApple Watch Ultraと比べて3%ほどアクティブ表示領域が広い。 さらにSeries 10にはソフトウェアキーボードがある。画面が拡大する分、わずかながらキーボードのサイズも大きくなる。メールやメッセージへの簡単な返信がApple Watchから直接返せるので便利だ。 Series 10はアップルが独自に開発した広視野角のOLEDディスプレイ(Wide-angle OLED)を、Apple Watchシリーズに初めて搭載したモデルだ。
充電の手間が軽減、公称どおりの時間でチャージ
スマートウォッチの画面はパソコンでキータイピングをしながら、または歩いたり電車のつり革などに捕まりながら、少し斜めの角度からのぞき込むことがよくある。Wide-angle OLEDはスマートウォッチの現実に即した使い方を想定して、画面を斜めから見た時にも正確な明るさや色合いを再現する。斜め60度の角度からのぞき込むと、Seires 10はSeries 9よりも最大40パーセントも画面の明るさが増して見える。 Series 10のディスプレイはLTPO(低温多結晶酸化物)方式の最新技術により、スタンバイ時の電源効率がアップした。画面の書き換え速度(リフレッシュレート)を従来の1分に1回から1秒に1回に高速化しながら電力の消費は少なく抑える。 実用的なメリットは、新しい文字盤の「リフレクション」「フラックス」を選ぶと、常時表示の画面がスタンバイモードに切り替わった時にも「秒針」が表示できるところに表れる。 ■充電の手間が軽減、公称どおりの時間でチャージ スマートウォッチのペインポイントは「充電の手間」だと言われてきたが、最近はApple Watchやライバルのスマートウォッチもかなりスタミナ性能を上げてきた。 Apple Watch Series 10はいくつも新しい機能を追加しながら、アップルが独自に設計したApple S10 SiPチップが駆動時に消費する電力を低く抑えるように賢く制御する。 公称スペックでは通常使用で最大18時間、低電力モードを使うと最大36時間のバッテリー持ちが可能とされている。筆者は約1週間にSeries 10を試用してきた。就寝前に満充電にしたバッテリーは、起床してから夜にまた充電器にセットするまで20%前後の残量をキープしてくれる。 Series 10は付属する専用充電ケーブルと、アップルのUSB-C電源アダプタ、または5W以上のUSB-PDに対応する他社製のUSB-C電源アダプタによる高速充電に対応する。