18歳成人式中止、伊賀市長が実行委に謝罪 「戸惑い大きい」の声も
18歳成人式の見直しを表明した三重県伊賀市の稲森稔尚市長は10日、来年5月に開催予定だった式の実行委員の新成人に対し、「頑張ってもらっていたのにご迷惑かけ、申し訳ない」と謝罪した。 成人年齢の引き下げに伴い、岡本栄・前市長は「新成人が社会的な責任を持つ成人になることを自覚する一つの節目」として昨年5月に18歳成人式を始めた。しかし、今年11月に就任した稲森市長は「若い世代の理解を得られていない。前市政が反対の声をくみ取ってこなかった」として中止し、2027年1月に「20歳のつどい」を開く方針を明らかにした。市は現在、着物レンタル代のキャンセル料などの補償ができるか否かなどを検討している。 稲森市長は10日夜、ハイトピア伊賀であった式の第2回実行委員会に谷口修一教育長らとともに出席。実行委員4人のうち、出席した高校3年の2人に対し、「中止を発表したのは、たくさんの人から20歳に戻してほしいとの声をもらったためで、早く発表しないと着物のレンタル代などのお金がかかってしまう」とし、「これからは若者の声を大事にする伊賀市にしたい」と語りかけた。 実行委員の男性(18)は「戸惑いは大きかった。18歳に参加してもらえる式にしようと思っていたので、複雑な気持ち」、女性(18)は「クラスでは20歳に戻って喜んでいる人が多い」と話した。(小西孝司)
朝日新聞社