池松壮亮が語る「俳優としての責任と覚悟」――感じた違和感を口にすることの大切さ
――なるほど。池松さんの俳優としての仕事の向き合い方や映画に対する真摯な想いが伝わってきます。
池松:そういうことをすると当時はただ異物扱いされていましたが、最近はだいぶそのことに慣れてもらえたり、理解してもらえるようになったと思います。社会全体としても、業界全体としても、それぞれがそれぞれの立場で感じる違和感を口にできるようになってきたのはとても良いことだと思います。ですがまだまだ、言えない立場の意見や、沈黙に含まれる意見が社会全体にたまっているなとも思います。
――池松さんは自分が感じた違和感をそのままにはできなかった。
池松:僕はただ感じる違和感を自分のスタイルでやっているだけに過ぎませんが、上の世代の人たちから受け取った言葉や信念は大きいなと感じます。さっき話した北村さんもそうですし、例えば樹木希林さんとか、好き勝手に話しているようで一番真っ当なことをいつでも語ってくれていたと思います。希林さんがここまで言ってくれるなら、これくらい言っても良いか、これくらい言わなきゃだめだと思ったことが何度もありました。
――本人が発信しているつもりはなくても、次世代に受け取っていくことで何かが変わっていくのかもしれませんね。
池松:作品に関わって世の中に発表する以上、または公の場で俳優として発言する以上、そこには少なからず影響力がありますし、そのぶん責任があるとも思います。なので、自分がこの方が良いと思うことや違和感を感じていることも臆さず伝えていくべきですよね。みんなが責任を伴わないお利口さんな言葉を発していても、次世代に問題が蓄積していくだけでしょうから。
PHOTOS:MASASHI URA HAIR&MAKEUP:FUJIU JIMI
9月6~8日テアトル新宿、TOHO シネマズシャンテで3日間限定先行公開 9月13日から全国公開 出演:越山敬達、中⻄希亜良、池松壮亮、若葉⻯也、山田真歩、潤浩ほか 監督・撮影・脚本・編集:奥山大史 主題歌:ハンバート ハンバート 本編:90分 配給:東京テアトル ©︎2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINÉMAS https://bokunoohisama.com