「紅白」で唯一残念だった「有吉弘行」の司会ぶり 「すごい!サイコー」を連呼し、ミスが起きても見ているだけ…
昨年の大みそかに放送された「第75回NHK紅白歌合戦」は、特別企画枠で出場したB'zのサプライズ演出などもあり、近年の紅白の中では高く評価する声が多かった。だが、SNSで一部視聴者から「違和感」が上がっていたのが、有吉弘行の司会ぶりだ。有吉は2年連続の司会となったが、持ち味である“毒舌”や“イジり”は完全に影をひそめ、無難な進行に終始していた。そこに不満を持つ視聴者もいたようだが、「紅白」という大舞台では、有吉でさえ個性を出すのは難しいのか。 【写真】紅白「次の司会」に急浮上したタレントはこちら * * * 「第75回NHK紅白歌合戦」の司会を務めたのは、有吉のほか、女優の橋本環奈(3年連続)と伊藤沙莉(初)の3人。総合司会はNHKの鈴木奈穂子アナウンサーが務めた。 司会進行に関しては、毎年何かしら物議をかもすことが少なくないが、昨年12月31日には、Xで視聴者からこんな投稿があった。 <有吉の紅白司会がいまだに慣れない…そんなキャラじゃないだろってことばかり言う> <いつもいつも悪口言ったり人を小馬鹿にしている有吉が、紅白で嫌らしいぐらいの媚びたような司会ぶり、おべんちゃらを言う姿を見せてくれてる。なんか…気持ち悪い> 初司会となった23年大みそかの「紅白」では、有吉は「緊張した」を連発しながらも、衣装替えが間に合わなかった際には、靴をはかずにはだしでステージにすべり込むなど、何とか自分を出して、観客を笑わそうという意識が垣間見えた。だが、昨年末の「紅白」では、独自の“有吉らしさ”はほとんど見られなかった。 「有吉さんの司会ぶりは、『すごい』『サイコー』という言葉を連発するだけで、持ち味が生かしきれていない印象でした。出演者にもまったく突っ込まないので、有吉さんの“毒”が完全に抜けてしまっていました」 こう語るのはNHKの元ディレクターで阪南大学国際コミュニケーション学部の大野茂教授だ。 大野氏が指摘するように、確かに有吉は出演者に歯の浮くようなセリフを言う場面が目立った。 白組トップバッターのこっちのけんとが「はいよろこんで」を歌い終わったときには「すごい盛り上がりでした、最高でした」(有吉)、山内恵介が「紅の蝶」を歌い終わった後、「われわれ一座のパフォーマンスはいかがでしたか?」と聞かれると、「悔しいけど最高でした」(有吉)と絶賛。HYを紹介するときには「僕が生まれかわったらボーカルの仲宋根さんになりたいというくらい、大好きなので今日はよろしくお願いします」(有吉)と持ち上げた。この時はさすがに、仲宋根から「ウソですね」と突っ込まれ、バツの悪そうな表情をみせた。それでもめげず、「THE ALFEE」が歌い終わると、「すごいギター」と称賛するなど、終始「すごい」「サイコー」のオンパレードだった。