食事中の観光客に“水鉄砲”で攻撃…過熱する反ツーリズム抗議デモの実態 スペイン
バルセロナだけじゃない、各地で問題視されるオーバーツーリズム
観光産業が地元住民に与える影響に頭を悩ませているのは、バルセロナだけではない。スペイン南部のマラガでは、6月に約1万5000人が過剰観光に反対する集会を開き、パルマ・デ・マリョルカ島では5月に1万人以上がオーバーツーリズムに反対するデモ行進を行った。また2024年1月、イタリア・ベネチアは観光客に料金を課す最初の都市となった。
スペイン政府の新たな動きとは?
連日続くデモ活動を受けスペイン政府は先日、短期賃貸や季節休暇の賃貸の取り締まりを発表。AirbnbやBooking.comなどのプラットフォームに掲載される物件はライセンスを取得する必要があり、政府はライセンスを取得しているかどうかの調査を強化するという。また、バルセロナのジャウマ・コルボニ市長は2028年11月までに、現在短期賃貸として認可されている10,101戸のアパートの免許を取り消し、観光客に家を貸すことを禁止する計画を発表している。 いよいよ夏休みシーズンが到来し、さらなる観光客の増加が懸念されるスペイン。また日本でも連日、観光客による問題がニュースに取り上げられるなど、各地でオーバーツーリズムが問題視されている。各国の柔軟な対応が求められるだろう。
文:大村朱里