「日本版ライドシェア」実際どれだけ稼げるの?→ドライバーが明かしたリアルな月収
今年4月に「日本版ライドシェア」サービスが東京都内で開始されてから半年が経過した。規制緩和に向けた議論が進行中で、一部の地域で試験的に導入されたが、全国的な展開にはまだ時間がかかると見られている。そんな中、実際にドライバーとして働く人はどれだけ稼げているのか。また不満はないのか。当事者に実態を聞いた。(ダイヤモンド・ライフ編集部 大根田康介) ● 完全出来高制ではなく 固定の時給をもらえる安心感 今年4月に「日本版ライドシェア」サービスが東京都内で開始されてから半年が経過した。 日本では厳しい規制により、海外のような個人による車の相乗りサービスは広がっていない。GOやUber、DiDiなどの企業がタクシー会社と提携し、タクシー会社が個人ドライバーを管理しながらタクシー配車アプリで配車を受け付けている。 新規ドライバーに対しては、タクシー会社で10時間の研修や健康診断を受ける必要があり、ライドシェアドライバーとして最低限のスキルを身につけてもらう。 開始当初は話題性もありドライバーの応募者も多かったが、現在は落ち着きを見せているようだ。 東京無線グループに加盟するタクシー会社、日本自動車交通の村澤拓磨取締役によれば、「4月のサービス開始直後は1カ月で200人近くの応募があったが、現在は多くても15人程度まで減少した」という。 では、実際にライドシェアのドライバーはどんな働き方をしているのか。 関東在住で、個人事業主として飲食店を経営するかたわらドライバーとして働く鈴木和義さん(40代男性、仮名)に、実際にどんな働き方をしていくら稼いでいるのか、また働く上で不満はないのか。具体的な金額と本音を聞いた。
● 日給は8000円から1万円 週末中心で月収約5万円 鈴木さんが経営する飲食店の月商は、コロナ禍以前は80万~100万円あったが、以後は50万円ほどまで落ち込んだ。 客足がなかなか戻らず、生活費を稼ぐためにスキマ時間を使える仕事を探し始めた。 数ある仕事からライドシェアを選んだ理由について、鈴木さんは「車の運転が好きだったことと、報道で知ったことがきっかけだった。ウーバーイーツのような完全出来高制ではなく、稼働した報酬に加えて固定で時給をもらえるという安心感があった」と話す。 鈴木さんは日曜日の朝10~14時、金曜日と土曜日の深夜を中心に週1~2回、1日4時間の勤務でライドシェアドライバーとして働いている。 1日の稼ぎは8000円から1万円程度で「月収5万円ほどになる」(鈴木さん)。ライドシェアの収入が、生活を支える大事な柱となっているようだ。 サービス開始から半年が経過し、ライドシェア利用者の頻度は徐々に減少傾向にある。 鈴木さんは「1日の乗車件数は平均4~5件程度。短距離だけなら8件くらい。私の場合、食材の仕込みなどがあるため、仕事を早めに切り上げることもあり、なるべく効率よく数をこなさないといけない」と現状を説明する。