【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第16ステージ】最悪の天候もこの男だけは止められない! ポガチャル想定外の5勝目
自転車競技界最強の選手と言われるベルギーのエディ・メルクスがその容赦ない勝ちっぷりで、「カンニバル=人食い人種」と呼ばれたが、ポガチャルはカンニバルになりたくなくても、結局はカンニバルになってしまった。モビスターチームにとっては、エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア)が最終的にチーム最上位の11位で、作戦は失敗に終わった。
2003年生まれの20歳6カ月、ペリツァーリは16秒遅れのステージ2位。1981年のモレノ・アルゼンティンが20歳5カ月でステージ勝利しているが、ステージ3位までの表彰台に上がった最年少選手としてはそれ以来となる。3年前にポガチャルとセルフィーを撮ったヒルクライマーは、本格的プロとなって2シーズン目。この日はゴール後に表彰式を待つポガチャルに歩み寄って、ピンク色のアイウエアをせがんだ。それに応じたポガチャルはアイウエアだけでなく、身に着けていたマリア・ローザもペリツァーリにプレゼントした。
距離短縮でパワーが凝縮されたレースだったため、総合2位のトーマスが脱落して、49秒遅れでゴール。総合3位マルティネスはペリツァーリに追いついて16秒遅れの3位。マルティネスは総合2位に浮上したもののポーナスタイム差を加算してポガチャルから7分18秒遅れになった。
ヤング・ライダー賞のアントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)は33秒遅れのステージ5位でフィニッシュして笑みを浮かべた。
「総合3位だったダニエル・マルティネスのほうが最終週は手ごわいと思っていたので、最後は差を広げようとした。それにしても今日はジュリオ・ペリツァーリが素晴らしい走りをして才能を見せつけたので、今週にステージ優勝できることを願っている」とポガチャル。
「私は計画するのが好きで、ガールフレンドはいつもすべてをきちんと整理したがる。以前はそうではなかったけど、年齢を重ねてきた今は計画を完璧に実行したいと思っている。そうは言ってもサイクリングでそれはほとんど不可能で、今日は物事が計画通りに進まなかった。それでも勝利を手にした。モビスターが集団を牽引したので、チームでそれほど多くの作業をする必要がなかったことをうれしく思う。私たちにとって素晴らしいサプライズだった」(ポガチャル) 文・山口和幸
山口 和幸
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