【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第16ステージ】最悪の天候もこの男だけは止められない! ポガチャル想定外の5勝目
レースとしては、大会2日目に独走勝利して首位のマリア・ローザを獲得したポガチャルの強さが日を追うごとに際立つ。今大会最難関の第15ステージで4勝目を挙げるとともに、総合2位トーマスとのタイム差を6分41秒に広げていた。
「今のタイムギャップとチームの働きには満足している。第2週を終えて総合リストのトップに掲載されているが、最終ゴールはまだ遠く離れている。すべてのジロ・デ・イタリアには独自のストーリーがあるから、最後の1週間がどうなるのか見てみたい」と第15ステージのゴール後に語ったポガチャル。休息日にはどう戦うかをチームと共有し、ジロ・デ・イタリア総合優勝を手中にしたい。その上で今季最大の目標、ダブルツール制覇という快挙を達成したい。
そんな状況に悪雲が立ちこめていた。天気予報が第16ステージの荒天を告げる。前日に主催者が対策ミーティングを開催し、天候状況によるオプションを3通り提示した。選手回収車や運営管理車に選手が着込む雨具と防寒具を積載しておくこと。ウンブライルパスで選手が着替える場所を用意し、そのニュートラルタイムとして3分を提供することなど。そして最悪の場合は、危険なルートはニュートラル区間としてタイム計測しないことなど。前日はこうした代替案を発表したのみで、正式決定は当日に持ち越された。
しかし気象状況は悪化の一途。気温5度のスタート地、リヴィーニョでは集まったファンのために出走サインに選手が登壇するものの、結果的にこの町からレースが始まることはなかった。そしてチマ・コッピとなるはずだったウンブライルパスもカットされた。カテゴリー1級のピネイ峠とカテゴリー2級のサンタ・クリスティーナ・ヴァルガルデナはかろうじてレースコースに残された。想定外の事態が発生したが、総合成績の1位と2位の選手の差が6分以上もある現状では、すべての関係者が安全第一でこの日を終えたいという気持ちがあったに違いない。
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