【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第16ステージ】最悪の天候もこの男だけは止められない! ポガチャル想定外の5勝目
朝のリヴィーニョでの混乱によってチマ・コッピがキャンセルされ、選手たちはチームカーなどに乗り込み、新たに設定されたリアルスタート地点のラサに移動した。結果的に距離が短く難易度が下がった。そんな状況を利用してでもステージ優勝したい。この大会で果敢に走るスーダル・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ(フランス)を含む4人がアタックした。すべてステージ優勝を目指した選手らで、総合成績に大きな影響を与えないことは早い段階で明らかになった。
VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネのジュリオ・ペリツァーリ(イタリア)、アルケア・B&Bホテルズのエウェン・コステュー(フランス)、アスタナカザクスタンのクリスティアン・スカローニ(イタリア)がアラフィリップの動きに加わった。カテゴリー1級のピネイ峠最後の数キロで第1集団を作ることに成功した。
マリア・ローザのポガチャルは、この日はステージ優勝する気はなく、勝利は積極的な走りを見せた誰かが手中にすればいいと思っていたという。レース後にポガチャルは「今日はリスクを負う必要はなく、逃げ集団に勝たせたかった」とその時の心境を回想している。
そんなポガチャルの思いと裏腹にモビスターチームが激しい動きを見せる。山岳ステージでの優勝を狙っていたモビスターチームだったが、その日の逃げ集団に選手を1人も入れることができなかったのだ。メイン集団のペースをコントロールし、最後の2つの上りですべてを賭けることにした。
モビスターチームは集団の先頭で懸命に働き、逃げ続ける選手の背後に近づくことに成功した。他チームが完璧にお膳立てをしてくれたことで、ポガチャルはやる気を蘇らせる。 「ドメン・ノヴァクとラファウ・マイカにプッシュするように頼み、先行選手を射程距離に収めてからアタックした」というポガチャル。最後まで抵抗を続けたペリツァーリをフィニッシュ手前で逆転し、こうして5回目のステージ優勝を収めた。
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