若手選手にとってオフシーズンの「飛躍の機会」に。アジアウィンターリーグ
台湾プロ野球の選手にとっても絶好の機会に
台湾、CPBLも毎年若手選手を中心にチームを組んでいる。 CPBLの選手は、試合を見る限り、投球、打撃、守備でNPBやJABAの選手に見劣りすると感じられることも多いが、彼らにとってはレベルの高い野球に触れる絶好の機会になっている。 2023年は、翌2024年からペナントレースに参加する台鋼ホークスが優勝した。このチームは若手ではなく、主力選手も派遣して、実戦経験を積んでいた。台鋼ホークスには、2023年まで西武にいた呉念庭や日本ハムにいた王柏融が入団している。
また中信ブラザーズの監督は、元阪神、オリックスの平野恵一、楽天モンキーズは元近鉄の古久保健二が務めている。 2024年のプレミア12では、台湾(チャイニーズタイペイ)代表チームが、日本代表を決勝で破って、初の世界一に輝いたが、これもあって台湾では野球ブームが起こっている。 AWBの会場にも熱心なファンが詰めかけて、声援を送っていた。
MLB志向の台湾プロ野球
CPBLは、NPB、日本野球から多くのものを学んではいるが、野球そのものの方向性は、MLBに向いているようだ。 CPBLではすでに昨年から「投手は走者がいない場面で20秒、走者がいる場面では25秒で投球動作に入らなければいけない。また、打者は制限時間の8秒前までに打席に入らなければいけない」という「ピッチクロック」を導入している。AWBでもこのルールを適用している。またMLB同様、投手はマウンドを降りるときに、球審に両掌を見せて、付着物などが付いていないかどうかを確認させることになっている。さらに牽制球の制限などもMLBに準じたルールを導入している。 NPBの選手にとっては、シーズン中は経験できない「ピッチクロック」などを経験する絶好の機会になっている。 また全試合でビデオ判定も導入されている。さらに、球場には弾道測定器「トラックマン」も設置されていた。
ウィンターリーグは公式戦ではないが、CPBLの試合運営は、本格的で、レベルが高い。審判は基本的に4人体制で、ジャッジは適格だ。また、場内アナウンスなどもペナントレースと同じだ。 単なる練習試合ではなく、クオリティの高い試合を経験することで、選手はレベルアップすると言われている。AWBは、いろんな意味で有意義なウィンターリーグになっていると思う。