記録づくめの新大関Vへ…大の里”鬼門”の初日へ「しっかり準備したい」 28年ぶり年間全て「札止め」期待背負う
大相撲九州場所は10日、福岡国際センターで初日を迎える。大の里(24)=二所ノ関=は新大関での初陣に向け、9日は福岡市内の部屋で最終調整。本場所用の青色の締め込み姿で四股や立ち合いを確認し、「大関としては初めてで分からないこともあるが、今まで通りやるだけ」と稽古後はファンにサインするなど、リラックスした表情だった。 初日は“鬼門”だ。幕下10枚目格付け出しでデビューした23年夏場所で黒星。新関脇だった今年の名古屋場所は御嶽海に敗れた。秋場所は熱海富士に、土俵際で辛勝。その後11連勝で優勝したが、「初日の入りは難しい。先場所は危ない相撲を取った。しっかり準備したい」と集中力を高めた。 新大関優勝を果たせば昭和以降では2006年の白鵬以来史上9人目。現行の1場所15日制が定着した1949年5月場所以降では過去5人しかいない。02年初場所で新大関Vの玉ノ井親方(元大関・栃東)は「追う側から追われる側に変わって、プレッシャーが全然違った」と振り返る。その上で、大の里優勝のカギには「序盤の5日間」を挙げた。初日から11連勝だった栃東を始め5人全員が白星発進で、4勝1敗以上。同親方は「(序盤を乗り切れば)中盤、後半に自分の相撲を取れるはず」とした。 大の里は春場所で賜杯を逃し、夏場所で初V。名古屋場所は9勝、秋場所は優勝した。「ジグザグが続いている。今回はそうならないように」。既に15日間のチケットは完売し、96年以来28年ぶりの年間90日間全て「札止め」を記録。期待を背負い、大の里が飛躍の1年を締める。(山田 豊)
報知新聞社