スーパーの卵が「200円」を超えていて驚き! 数年前まで「100円台」だったと思うのですが、なぜこんなに高くなっているのでしょうか?
卵は「物価の優等生」といわれるほど小売価格が変わらない商品の1つに挙げられ、これまでも多くの家庭や飲食店などで料理に使われ、日々の食事に欠かせない食材といえます。いろいろな料理に使えるだけでなく、栄養価も高いので毎日食べている人も多いでしょう。 しかし、近年はスーパーやコンビニなどで卵の価格を見ると、少し前と比較して上がっていると感じられるのではないでしょうか。 本記事では、ここ数年での卵の小売価格の推移について紹介します。 ▼職場のランチ代節約したい!「おにぎり」だけは栄養的にNG? 節約効果も検証
卵の小売価格は数年前と比較して高くなっている
数年前までは100円台で卵を購入できていましたが、近年では200円台になっているのは事実です。 一般社団法人日本養鶏協会が発表している鶏卵価格の年次別月別推移を基に、ここ5年の年平均価格、最も高い金額、最も安い金額について図表1にまとめました(全農:東京Mサイズ、キログラムあたり価格)。 図表1
一般社団法人日本養鶏協会 鶏卵価格の年次別月別推移を基に作成 年平均で見ると、数年前はキログラムあたり100円台で購入できましたが、令和3年からは年平均が200円台に突入しました。月によっては100円台で購入できる場合もありますが、タイミングによっては200円台後半になるケースもあります。 特に、令和5年は卵の小売価格が年平均306円と過去最高なのに加えて、最も高い金額についても350円が2ヶ月あるなど年間を通じて卵の小売価格が高かったです。 これまで長年に亘って安定した価格推移をしてきた卵ですが、最近は価格上昇傾向にあるといえるでしょう。卵はいろいろな場面で活躍してきた優秀な食材で、使用される料理が多くあり、小売価格の上昇による影響がさまざまな場面で大きくなっています。
卵の小売価格が高くなっている理由とは?
長年にわたって卵の小売価格はほとんど変化していませんでしたが、近年は卵の生産コストが上昇しており、小売価格も高くなってきました。 まず、卵を産むニワトリを育てるために必要な飼料の価格が値上がりしています。日本では飼料の多くを海外からの輸入に頼っていますが、円安や世界情勢の影響によって輸入飼料の価格が大きく上がっています。 ほかにも、養鶏に必要な機械などを動かすための電気代や燃料代も高騰しているため、全体的な生産コストが増えています。 生産コストが上がる中で卵の小売価格をそのままにすれば、生産コストと収入のバランスが取れず、養鶏場の経営者、卵の加工や販売に携わる人たちの生活が厳しくなります。 農林水産省では、人々の食卓に良質な卵を届けてもらうために、需要を考慮しつつ生産コストの上昇分が小売価格に反映されることを理解してほしい、と呼びかけています。 生産コストの上昇が止まらなければ、それに伴って今後も小売価格は上昇し続ける可能性が高いでしょう。
まとめ
長年にわたって、スーパーで卵は100円台で販売されていたので、現在の小売価格はかなり高いと感じられるでしょう。しかし、養鶏に必要な飼料や電気代、燃料代が高騰しており、養鶏場や卵の加工や販売に携わる人たちの生活を守るためにも、卵の価格がある程度高くなるのは避けられないことを理解する必要があるでしょう。 出典 一般社団法人日本養鶏協会 鶏卵価格の年次別月別推移 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部