2024年倒産数、1万件台目前? 10月は900件超で物価高と人手不足が追い打ち【帝国データバンク調べ】
帝国データバンクは「2024年10月の企業倒産件数」について、負債1,000万円以上の法的整理による倒産を対象に集計・分析を行った。
倒産件数は925件、30カ月連続で前年同月を上回る
調査によると、2024年10月の企業倒産は925件発生し、前年同月比17.1%増で、30カ月連続で前年同月を上回った。2024年では5月(1,016件)についで2番目に多く、10月としては2013年(918件)以来の900件超えとなった。
2024年1月から10月の倒産件数は8,219件に達しており、現在のペースで推移すれば、年間の倒産件数は2013年以来11年ぶりに1万件を超える見込みとなる。
負債総額は1,755億6,800万円で、前年同月比42.5%減。3カ月連続で前年同月を下回ったものの、2024年では2番目に多い負債額となった。なお、負債額のトップはAV機器メーカーの「船井電機」で、約469億6,482万円にのぼり、実体経済に影響を及ぼす大型倒産となった。
業種別にみると、7業種中6業種で前年同月を上回る結果に。最多は「サービス業」で、前年同月比26.7%増となった。以下「建設業」(同24.1%増)、「小売業」(同13.9%増)と続いている。特に「建設業」は、資材価格の高止まりや人手不足を背景に、11年ぶりの200件超えを記録した。
地域別にみると、9地域中8地域で前年同月を上回っており、最も件数が多かったのは「関東」で前年同月比5.0%増となった。特に「千葉」が25件→38件に急増しており、全体の件数を引き上げている。最も増加率が高かったのは「東北」(69.2%増)で、「近畿」は25カ月連続で前年同月を上回った。
また、「ゼロゼロ(コロナ)融資後倒産」は75件(前年同月58件、29.3%増)となり、前年同月を上回った。なお、「不良債権」に相当するコロナ融資喪失総額は推計で約1,082億9,300万円にのぼり、国民一人あたり約900円の負担が発生している計算になる。その他、「人手不足倒産」「物価高倒産」の年間件数は過去最多を更新した。
調査概要
・【集計期間】2024年10月1日~2024年10月31日 ・【発表日】2024年11月11日 ・【集計対象】負債1000万円以上法的整理による倒産