たまにレッスンで聞くワード「キネマティックシークエンス」って一体なに?【柳橋章徳プロコーチに学ぶゴルフ用語あれこれ】
「足→腰→上体→腕」の順を意識しよう
どんな人も順番が同じになるという切り返し以降の動きだが、具体的にどんな順で動くとプロみたいなスウィングになるのだろう。 「大まかに言うと足→腰→上体→腕の順。細かく言うと、まず左足つま先の母指球あたりに負荷がかかります。次に左足が支える状態で骨盤が回り、このタイミングで負荷が左かかとに移行します。そのあと胴体部分の胸郭が動き、さらに肩と腕が連動。最終的にひじから先が解放されるという順序です。」
「アマチュアにとって重要なポイントは骨盤の動きになります。骨盤を回すのですが、自分から見て時計回りに回ることが必要です。 右腰が前に出る(骨盤が反時計回りになる)のはスウィングで避けたい動きの一つ。この動きが入ると運動連鎖が止まって下半身と上半身が一緒に動いてしまう、いわゆるドアスウィングになります。 一見すると腰が左にスライドしたり、逆にその場でクルッと回って見えるプロもいますが、たとえ一瞬でも骨盤は必ず時計回りしてから体の回転が入ってきます。こうするから次に動く胸郭が開きづらくなる。反時計回りすると胸は開かされてしまうのです」
●順番が入れ替わる=スウィングの破綻!!● アマチュアゴルファーの中では、切り返しで上体から始動したり先に腕を使ってクラブを下ろしたりと順番が入れ替わってしまっている人も珍しくない。 しかし、正しい運動連鎖を阻害することはスウィングを破綻させることに繋がってしまうので注意が必要だ!
●イメージは人それぞれでも、プロはみなキネマティックシークエンスに則っている● 「スウィングは下半身主導」や「胸から動かしている」というプロがいるがこれらはみな感覚表現に近いもの。 その人がどんなイメージを持ち、どう動かしていようとも、切り返し以降はキネマティックシークエンスに倣ってクラブが下りているのだ。
キネマティックシークエンスの習得には“連続素振り”が◎
では、キネマティックシークエンスを整えるにはどんな練習をすればいいのだろう? 「テニスや野球や卓球では飛んでくるボールに体が反応しますが、実はそのほうがキネマティックシークエンスが自然発生しやすい。止まったボールを打つゴルフでは、自分できっかけを見つけて運動連鎖を開始しなければならないのでシークエンスが生まれにくいのです。 ということで、スウィングでシークエンスを整えるには動きを止めないことがポイントになるので、連続素振りや後ろに歩きながらスウィングするといった練習をするといいでしょう。 前進しながらの連続打ちはSNSの投稿などでも見かけることが多いですが、前進すると右腰が前に出る(骨盤が反時計回りになる)ので後退しながらのほうが理に叶った動きになります。最初はクラブでなく、バランスボールやバットなどのような重いものを持ってスウィング動作をするのがおすすめ。重いものを持って動くには体を効率的に使う必要があるからです」 クラブは軽いので腕だけでもビュンビュン振れてしまうが、自分のパワーでクラブを牛耳ってしまうと運動連鎖は生まれづらい。クラブを正しく使ってキネマティックシークエンスが整えば、スウィングは良くなり飛距離も伸びる。そクラブを正しく使い、正しく運動連鎖が行われることでスウィングは盤石になるのだ。 TEXT/Kazuya Kishi Photo/Tsukasa Kobayashi THANKS/GOLFOLIC 中延店
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