リオ五輪始まりましたが… 新国立競技場200億円『命名権』どうなった?
施設名が頻繁に変わる恐れも 高価すぎる契約料の弊害
先日、千葉県千葉市にあるQVCマリンフィールドの命名権者・QVCジャパンが契約期間途中であるにも関わらず、契約の解除を千葉市に申し入れました。QVCマリンフィールドは千葉市民から長らく愛されてきましたが、年2億7500万円の契約料が重荷になったようです。スポンサーの撤退で、これら収入がなくなります。 ネーミングライツの契約料は自治体や施設管理者にとって貴重な財源ですが、契約更新のたびに契約者が変わってしまうと施設名も頻繁に変わってしまいます。そうなると、住民やファンが混乱します。そうした混乱を起こさないようにするため、味の素スタジアムでは長期契約できるようにスポンサーの味の素とコミュニケーションを密にする努力も怠っていません。 ネーミングライツは競技場など施設に大きな金銭的メリットをもたらします。しかし、契約が決まれば終わりということではありません。むしろ、契約した後の不断の努力が問われます。ネーミングライツで200億円を捻出しようとした新国立競技場。財源的な話は重要ですが、JSCにはファンや住民から長く愛されるスタジアムづくりを期待したいものです。 小川裕夫=フリーランスライター