進むインフレで家計が火の車…「日本人の10%しか知らない」生活を豊かにする「驚きの方法」とは
アメリカ人はインフレを苦にしない
エミン:そうなるのはある意味当然のことです。インフレだと貨幣の価値が下がりますが、代わりに株や不動産などリスク資産の価値が上がるので、投資している人はインフレで景気がよくなったと実感しやすいわけです。一方、投資をしていない人は、インフレで景気が悪くなったと感じやすい。 アメリカの場合、家計金融資産の約5割は株です。だからアメリカ人はインフレを日本人ほど苦にしないのかもしれない。 永濱:インフレで家計が苦しいと感じる人も多いと思いますが、日本経済のマクロ統計を見ると、インフレがプラスに働いている側面もあります。 日銀の「日銀短観」の「業況判断指数(DI)」は、景気がいいと答えた企業から、悪いと答えた企業を引いたもので、プラスなら「景気がいい」、マイナスなら「景気が悪い」ことを示します。 このDIですが、特に大企業の景況感は価格転嫁の効果もあってかずっとプラスを維持しています。一方で中小企業ではマイナスの業種も目立ち、乖離も見られるのですが、インフレ下でも景気がいいセクターと、そうでないセクターの差が生まれているということだと思います。
永濱 利廣、エミン・ユルマズ