ジンベエザメ「復活」 のとじま水族館
のとじま臨海公園水族館(七尾市)は11日、能登半島地震で犠牲になったジンベエザメの展示を再開した。志賀町沖で捕獲された雌1頭が海上いけすから巨大水槽に移され、震災から9カ月余りで水族館の「人気者」が復活。遠足で訪れた輪島市内の児童たちは悠々と泳ぐ姿に歓声を上げた。 ジンベエザメは9月10日に定置網にかかった体長4・4メートルの個体で、午前7時ごろ、水族館横にある海上いけすからの引っ越し作業が始まった。移送用水槽に入れてトラックで搬送した後、クレーンでつり上げて天井の搬入口から展示用の水槽内に移した。 ●輪島の児童が笑顔 11日は輪島市内6小学校の2年生60人が水族館を見学に訪れた。豪雨で仮設住宅に住めなくなった鳳至小の小岩魁斗さん(7)は「ジンベエザメを見て元気が出た」と笑顔を浮かべた。 水族館は元日の地震でボイラーや循環装置が故障し、ジンベエザメ2頭を含む約90種3400匹が犠牲となった。7月20日に営業を再開したもののジンベエザメは不在だった。イルカやアシカは現在も福井県や新潟県など5府県の施設に避難している。 水族館は、12月1日まで来館者からジンベエザメの愛称を募集する。展示・海洋動物科の加藤雅文科長は「水族館のシンボルが戻ってほっとした」と話した。