約90兆円市場インドのアグリテック最前線とインドの農業事情
ここ数年が勝負どころのアグリテック
既存の企業にとっても、新規参入組にとっても、この先3~5年がインドのアグリテックの勝負どころのようだ。 複数の重要な問題に対処する商品やサービスを提供するワンストップショップなど、すでに成功を収めているプラットフォームも登場しており、物理的なバックボーン/サプライチェーンの構築もしている。アグリテックの利用が浸透すれば、農業関連企業は従来よりも効率的でコスト効率良く農家にアプローチすることができ、より理想的なパートナーシップの確立や、ニーズに合った製品の開発もできる。 世界を席巻するIT大国でありながら、大きなポテンシャルがある国内の農業は何十年も昔のままで、低所得という貧困問題に直面しているインド。この国の農業界でデジタル技術が果たす役割が膨大なことは容易に想像できるが、成功するにはまず農家を知ることからが急務だ。 世界クラスの農産物を産出するインドの農民の持続可能な成長や農村部の繁栄が、インド経済全体に利益をもたらす可能性は果てしなく大きいようだ。
文:伊勢本ゆかり/ 編集:岡徳之(Livit)