サッカー日本代表、中国戦の大勝で浮き彫りになった最終予選における「難問」
もはや「先発全員海外組」も、話題にはならなくなった。 2年後に北中米3カ国で共催されるワールドカップ出場をかけた、アジア最終予選初戦の中国戦。日本は先発メンバー11人のみならず、ベンチ入りした控えメンバーにも8人の海外組が名を連ねた。 【画像】サッカー日本代表 2026年のメンバーはこうなる! この夏、新たにJリーグから海を渡った選手も数多く、海外組が増加の一途をたどっているなかで、各選手はベルギーからイタリア・セリエA、オランダからイングランド・プレミアリーグといったように、それぞれステップアップを遂げ、海外組は単に数だけでなく、質の上でも高まりを示している。 だとすれば、先発全員海外組も、至極当然の成り行き。今後は、国内組が日本代表の先発に名を連ねることのほうが、むしろ"事件"として扱われるのかもしれない。 対する中国は、控えメンバーも含めた23人全員が国内組だった。 現在の中国リーグにひと昔前の栄華は見る影もなく、そこでプレーする選手ばかりを集めたチームが、いかに帰化選手を加えようと、日本に大きく劣るのは無理もなかっただろう。 日本にとっては鬼門の最終予選初戦とあって、少なからず不安もあった試合も、終わってみれば7-0。最終予選という舞台には似つかわしくないスコアで、日本が大勝を収めた。 「試合前のミーティングから、彼ら(中国選手)はフィジカル的にも技術的にも優れている選手がいるので、それを非常に警戒していた。今日も狙いを持ったロングボールや、1対1の部分でのフィジカルの強さを発揮していたので、僕たちにとって厄介な相手だった」 この試合で2ゴールを挙げた南野拓実は、そんな言葉で対戦相手へのリスペクトを示したが、外から試合を見ている限り、中国を厄介な相手とみなすことは難しかった。 決してラフプレーを奨励するわけではないが、かつてのようにファール覚悟で体をぶつけ、日本の攻撃を寸断しようとする気概は感じられず、無抵抗で日本の猛攻を耐え忍ぶばかり。どうにかそれを食い止めたとしても、有効な反撃の手立ては持ち合わせていなかった。