上場企業の9月中間決算、最終利益4年ぶり前年割れ…中国の景気減速などで製造業落ち込む
東京証券取引所に上場する企業の2024年9月中間決算がほぼ出そろった。最終利益の合計は前年同期比5・7%減の20兆5722億円で、4年ぶりに前年割れとなった。中国の景気減速などが影響し、製造業の落ち込みが目立った。 【図】9月中間決算の最終利益推移
SMBC日興証券が、東証株価指数(TOPIX)採用企業(金融とソフトバンクグループを除く)のうち、19日までに決算を発表した1275社(全体の99・5%)の業績を集計した。
製造業の最終利益は9・1%減の11兆461億円だった。自動車を含む「輸送用機器」は、認証不正問題による販売台数の減少や、中国市場などでの価格競争激化で最終利益が3割減と振るわなかった。鉄鋼や半導体関連も、中国景気の減速を受けて利益が縮小した。
非製造業の最終利益は1・4%減の9兆5260億円だった。中東情勢の緊迫化によるコンテナ船の運賃上昇で「海運」が大幅増益した一方、燃料価格の変動が電気料金に遅れて反映される電力大手各社の減益が全体を押し下げた。
25年3月期の最終利益の合計は、前期比3・2%減となる見通しだ。SMBC日興証券の安田光氏は「為替相場や中国景気の動向次第では企業業績が回復し、通期で増益となる可能性もある」と指摘している。