うつ病を告白して全仏OP棄権の大坂なおみに激励と不安の声…“レジェンド”ベッカー氏は「引退の危機」と警鐘
また複数の米メディアの報道によると、年間約60億円を稼ぐ大坂を支えているスポンサーも棄権を支持、今後もサポートを続けていく姿勢を明らかにした。アディダスに代わり、2019年から契約を結んだスポーツメーカーの「ナイキ」は「私たちの考えはナオミと一緒です。私たちは彼女をサポートし、彼女自身のメンタルヘルスの経験を共有する彼女の勇気を認めます」との声明を発表した。 また同年からスポンサーとなった「マスターカード」も「大坂の決断は、個人の健康と幸せが優先されることがどれだけ重要であるかを我々に示してくれています。我々は、彼女をサポートし、コートの内外で重要な問題について取り組む彼女の勇気を称賛します」とコメントした。 所属先となっている日清食品の広報担当も「私たちは、大坂選手の早い回復を祈り、彼女が成功を続けることを願っています」と話した。 スポンサーの協力を確保できたことが大坂にとっては復帰の環境を整える上で大きなプラス材料となるだろう。 だが、一方で、今後の復帰に向けての悲観的な声もある。 ドイツの“レジェンド”ベッカー氏は、自らがコメンテーターを務める「ユーロスポーツ」で「キャリア(引退)の危機にある」との衝撃的な見方を示した。 同記事によるとベッカー氏は、「悲しいことに私は、彼女のメディアボイコットの話を数日前に聞き、そして彼女はメンタルヘルスの問題があったことに言及した。(この問題は)特に若い女性であれば、深刻に受け止めなければならないことだ」と語った。 その上で、「彼女は試合に負けた後、メディアと顔を合わせるプレッシャーに対処できなかった。マッツ(・ビランデル氏、ボルグらと共にスウェーデン黄金時代を築いたレジェンド)と、私は、これがしばしば起こることだと考えている。このこと(会見に出るプレッシャー)とは、折り合いを付けなければならず、私は仕事の一部だといつも信じてきた。メディアなしには賞金も出ない、何の契約もなくなる。ケーキの半分は手に入らないのだ。私も個人的にメディアは嫌いで、記者たちに話すのは好きではなかったが、それはやらなければならなかった」と、今後も記者会見出席の必要性があることを主張した。 「彼女は、その対応ができないから大会から棄権すると言及した。もし彼女が、パリでメディアに対応できないのであれば、ウィンブルドンでも全米オープンでもメディアに対応できないことになる。このことは私にはさらに多くの疑念を抱かせる。メンタルヘルスの問題のために彼女のキャリアが危機にあると感じている。我々はこの問題をとても深刻に受け止めるべきだ」とベッカー氏は、大坂の今後の復帰ロードに懸念を示した。 ツイッターで「少しコートを離れる」とつづった大坂は、今後の復帰プランについてはまだ情報を発信していない。