子どもが不登校でフルタイム断念→退職、休職して貯金取り崩し生活… 働き方やかさむ出費に苦悩する親たちの切実な声
新型コロナウイルス下で学校や家庭での緊張感を感じ取り、子ども3人が不登校がちになった長野県松本市の40代女性は、給食センターの調理員としてフルタイムで働いていたが、子どもの欠席や早退が増え、送迎のために半日勤務に切り替えた。 【写真】担任との関係に悩み不登校…居場所になった支援施設で勉強する小学6年生
仕事と送迎の日々、疲れたまり退職
3人からは次第に表情も食欲も消えていった。仕事と送迎の日々に自身も疲労がたまるようになり、家族との食事は外食や総菜が増えていった。不登校が始まってから約1年後、退職を決めた。
毎日かかる昼ご飯代、光熱費も急増
給食費は1人当たり月5千円ほど。「もしかしたら登校するかも」と払い続けた。そもそも支払いを止められることを知らなかった。ほとんど学校に行かないため、家での昼食代は毎日かかる。日中の冷暖房の使用で光熱費も急増。夫婦で働きに出ている間、子どもだけで家で過ごすのは心配なため、子ども用の携帯電話も買った。
部屋が足りない
家にいる子どもは成長するにつれ、1人部屋を欲しがるようになった。現在住んでいるマンションでは部屋が足りないが、これ以上の家賃を負担するのは難しい。
自分の気持ちも沈みがちに
精神的に落ち込む子どもとずっと一緒にいると、自分の気持ちも沈みがちになる。ちょうど運良く、家から近くて時給も高く、短時間勤務が可能なパートの仕事を見つけることができた。
学びたいのに学べない…
長野県内在住の別の40代パート女性の小学6年になる子どもは、就学前から人一倍、好奇心が強く、自分で勉強をどんどん進めてきた。集団で同じペースで学ぶ学校にはどうしてもなじめない。1年の2学期から登校しなくなった。「学びたいのに学べない状況は子どもにとってつらい」と考え、できる限り子どもの意欲に応えようとしてきた。
仕事の条件は「子どもの送迎ができるかどうか」
自治体が設置する中間教室(現・教育支援センター)に通いつつ、自宅で勉強を教え、通信教育やオンライン英会話などを契約。自分の仕事の条件は「子どもの送迎ができるかどうか」の一点で探した。職種を転々としつつ、パートの仕事を続ける。
在宅勤務への切り替え
中学校で激しいいじめを受けて不登校になった長女の五月さん(15)と暮らす吉村剛さん(51)は、出社が困難と判断して在宅勤務に切り替えた。社内の規定で在宅勤務は1カ月で取得できる日数は限られるが、特例で制限が緩和された。