五香粉香るスパイス焼きそばとオレンジワインが誘惑する! 目黒の住宅街に、帰り道の足を止めるワインバーがあった
〈自然派ワインに恋して〉
シェフの料理とマリアージュするのは、自然派ワイン。そんなレストランが増えている。あの店ではどんなおいしい幸せ体験が待っているのだろう。ワインエキスパートの岡本のぞみさんが、自然派ワインに恋して生まれたお店のストーリーをひもといていく。
ナビゲーター|岡本のぞみ
ライター(verb所属)。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート、日本地ビール協会認定ビアテイスター/『東京カレンダー』などのフードメディアで執筆するほか、『東京ワインショップガイド』の運営や『男の隠れ家デジタル』の連載「東京の地ビールで乾杯」を担当。身近な街角にある、食とお酒の楽しさを文章で届けている。
街の人に明かりをともすワインバー
武蔵小山と西小山、学芸大学の間におもしろい形の「ミチノサキ」というビルがある。パン屋や美容室などが入居する複合ビルだが、フリースペースのテラスもあり、地域をつなげる役割を果たしている。このビルの6階で灯台のように辺りを照らしているのが、ワインバー「&WINE(アンドワイン)」だ。
「店名の“アンド”は、食事とワインのペアリングはもちろん、地域の人との出会いやコラボをとおして、たくさんの楽しみを生み出す店でありたいという思いがあります」と店主の塩田昌弘さん。「ゼスト キャンティーナ恵比寿」やハウステンボス「ホテルヨーロッパ」でバーテンダーを務めるなど、20年以上飲食業界で働いてきた。そのなかで、ワインに出会い、偶然にも好きになるワインのほとんどが自然派ワインだったことから、2021年4月にアンドワインをオープンした。
開店から2年が経った現在は、近隣の住民が普段使いできる店として、親しまれている。特にこれまでワインを飲み慣れていない人が興味を持ち、好きになっるきっかけをつくっているそう。そのきっかけとして提供されているのが、世界各国の自然派ワイン。「ヴィンテージやボトルでワインの味わいが微妙に違う、その差がおもしろいですね」と話し、自然派ワインの楽しみ方をゲストに伝えている。