野球を「愛する気持ちが伝わってきた」 身体障害者との出会いに井口資仁氏が感銘
22日に東京で身体障害者野球連盟所属選手に野球教室を実施
2022年までロッテで監督を務め、現役時代は日米球界で活躍した井口資仁氏は現在、野球評論家として忙しい日々を過ごす。と同時に、野球が100年先も多くの人に愛されるスポーツであることを願い、様々な活動に取り組んでいる。22日に明治神宮外苑室内球技場で開催された、身体障害者野球連盟の所属選手を対象とした野球教室もその1つだ。 【動画】スカートお構いなし…女子アナの頭より高い“超豪快足上げ”始球式 「いや、選手の皆さんの野球熱はすごかったですね。こうやって(熱心に)取り組む姿勢を(プロの)若い選手たちに見せてあげたいですよ。本当にみんな一生懸命だし、上手くなりたいと思って練習しているのがすごく伝わってくる。今日は実施できてよかったです。僕もすごく勉強になりました」 2時間の野球教室を終えた後、額にうっすらと汗を浮かべた井口氏はうれしそうに声を弾ませた。 身体障害者野球に参加する選手たちは大半が成人男性で、四肢または体幹に機能障害があり、義足や車椅子、杖などが必要な人がいれば、片手が欠損していたり麻痺が残る人もいたり、その障害の種類は様々だ。走れなければ代走を出せばいい。道具も補助具をつけたり削ったり使いやすいように改良すればいい。「ルールに障害が合わないのであれば、障害にルールを合わせよう」という柔軟な発想を基に、多くの障害者が野球を楽しんでいる。 井口氏が初めて身体障害者野球と接したのは昨年6月。名球会の活動として身体障害者野球の日本代表チームと交流を持った時だ。プロとして野球を極めてきた一方で、野球が持つ自分の知らない“顔”に触れ、目から鱗が落ちる思いがしたという。 現役時代から養護施設訪問や車椅子の寄付を続ける井口氏は、かねてより親交のある不動産会社「MAXIV(マキシヴ)」の槙島法幸氏が社会貢献プロジェクトを立ち上げることを知り、身体障害者野球選手を対象とした野球教室の開催を提案。自身も緑内障のため視力を失った槙島氏は「ぜひ応援したい」と快諾し、今回の実施に至った。