野球を「愛する気持ちが伝わってきた」 身体障害者との出会いに井口資仁氏が感銘
「野球が何十年後か先にしっかり繋がるように」
毎年全国各地を訪問し、小中学生を対象とする野球教室を開催する井口氏は「今日の参加者は普段よりも年齢は上でしたけど(笑)、それでも伝わってくる野球愛はすごいし、本気で草野球をする人たちと変わらぬ熱さがありますよね」と大きな目を輝かせる。自身がこれまで携わってきたプロ野球やMLB、大学野球、高校野球とはひと味違う身体障害者野球に出会ったことで、ユニホームを脱いだ後もなお、野球というスポーツが持つ魅力、懐の深さ、可能性の大きさを実感できたことが、何よりも嬉しいようだ。 「障害があるとかないとか関係なく、野球を愛する気持ちが伝わってきた。少子化という懸念もありますけど、野球が何十年後か先にしっかり繋がるように、我々もしっかり伝えていきたいと思います」 日本に浸透しつつある「ダイバーシティ」や「インクルーシブ」という言葉に乗った、1回限りの打ち上げ花火で終わらせるつもりはない。「福祉施設訪問とあわせ、この野球教室も継続してやっていきたいと思います」。井口氏のライフワークに新たな取り組みが加わったようだ。
佐藤直子 / Naoko Sato