【独占】2020年9月復帰を目指す総合格闘家の堀口恭司はリベンジ相手、朝倉海のTKO負けをどう思ったのか?
堀口が米国フロリダで右膝の前十字靭帯の修復手術と半月板手術を行ったのは、昨年の11月7日。 「8月の海君との試合で壊れたわけじゃないんです。2019年の始めからずっと痛かった。蹴りをするにしても何をしても痛い。なんだろう?とも思っていたんですが、“まあいけるっしょ!”で検査も受けていなかった(笑)」 朝倉海の試合のダメージが抜けて練習を再開したとき、寝技のスパーリングで、パートナーに上から、覆いかぶさられて、右膝を横から押されたときに「膝がかぱっと外れた」という。 「相当弱っていたんでしょうね。別に痛くもなかったので、“あれ?おかしいな”くらいで膝を自分で入れ直したんです」 堀口は、翌日にもスパーを行ったが、今度はステップをしただけで「また膝がぱこっと外れた」。そこでジエンド。 堀口は笑い話にするが、簡単に膝が外れるのだから、もう靭帯は、ほとんど切れて役にたっていなかったのだろう。 手術は全身麻酔で行われた。 実は、選手生命を危ぶまれるような大怪我はこれが初めてではない。高校時代に右の脛の骨を真っ二つに割って、しばらく骨の中にボルトが入っていたし、2年前には反対側の左膝の半月板のクリーニング手術もしている。 怪我に強い選手と弱い選手がいるが、堀口は典型的な前者。決して弱音をはかない。 「怪我をしたことを意識しすぎると自分を制御しちゃう。言い訳にしちゃう。怪我なんて普通だよ、と、考えなきゃいいだけのこと。だから精神的な落ち込みはない。アホですから(笑)。何も考えていないから大丈夫なんです」 それが貫いてきた美学である。 現在、週に2度、群馬から都内まで出てきて専門病院でリハビリを行っている。まだ補強具がなければ歩けない状態。上半身や、痛めていない側の足を鍛えることも、「治ったときに肉体のバランスが悪くなるから」とあえて封印している。 練習の本拠地である米国フロリダへ行けば、「動きたい」という気持ちが抑えきれなくなるため、リハビリが完了するまで渡米も控えているという。