「餃子の王将」2年間で4度目の値上げを発表。それでもお客が離れない“2つの理由”
「チャーシュー」と「たまご料理」で顧客の心をつかんでいる
私は今回さまざまなメニューを実食しましたが、競合店と比較して圧倒的なおいしさを実感したひとつめは、「焼豚(チャーシュー)」でした。 2024年4月から全国販売されている新商品「忘れられない中華そば」(748円)に乗っている炭火焼チャーシューを食べてみると、丁寧に作られたこだわりのラーメンを食べているという確信が沸き上がるのです。 それに伴って、ネギ油が効いた醤油スープ、北海道産小麦で作られたツルツル食感の麺にも特別感を見出すことができます。焼豚は炒飯にも使われている大切なアイテムですから、ここに情熱を注ぐのは大正解と言えます。
塩ダレの「天津飯」は、ふわりと心ほどけるおいしさだった……
そしてもう一つは、「天津飯」をはじめとしたふわふわ卵料理です。「カニ玉は白い餡」と言い切るファンが全国にいるほど、王将の塩ダレは定番メニューとして愛されていますが、昨年のレシピ改良で天津飯もアップデートされています。 卵には味をつけ、特製餡はさらに改良され、食べたときの滑らかな舌触りは至福の極み。心に糸があるとすればすべてほどけてしまうような、特別なおいしさに驚かされるに違いありません。 このアツアツなのにどこか優しいふんわり感に匹敵する中華料理店はいったいどのくらいあることでしょう……。 天津飯はプレミアムメニューの極王シリーズにもあります。バラエティ番組『ジョブチューン』では超一流料理人から「すごいとしか言いようがない」と絶賛され、カニ玉の絶妙な焼き方はプロにも認められるレベルであることがわかります。 その他、王将には「肉と玉子のいりつけ」(572円)というエリア限定のメニューがありますが、全国展開を強く期待してしまうほど、知る人ぞ知るオススメ料理なのです。 さあ、気になる人はご褒美タイムに味わってみてはいかがでしょうか? これからの時代、安ければ勝ち残れるわけではありません。王将の新たな戦略としておいしさへのさらなる追求、従業員を大切にする人材資本投資や新たなチャレンジにも注目していきたいところです。 <文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ> 【スギアカツキ】 食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
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