ソニー史上最高輝度の「BRAVIA 9」。驚異的な輝きとコントラスト性能【AV Watchアワード参戦製品(11)】
その年に登場した製品から、読者に本当にオススメしたい優れた製品を決める「AV Watchアワード」。2023年に引き続いて今年も“No.1テレビ”を決めるべく、テレビメーカー7社から11モデルの液晶テレビ・有機ELテレビを集め、比較テストを行なった。本稿では11月1日のNo.1モデル発表に先立ち、テストを実施した全11モデルを順次掲載していく。 【画像】ミニLED液晶テレビ「K-65XR90」(BRAVIA 9) 最後に取り上げるテレビは、ソニーが2024年8月に発売したミニLED液晶テレビ「K-65XR90」(66万円前後)。製品の概要・仕様の紹介と合わせ、昨年好評だったマスターモニターとの比較動画および各種測定データも合わせて掲載する。 ■ ソニー「K-65XR90」製品概要 ソニー“BRAVIA 9”こと「XR90シリーズ」は、同社が「有機ELを超えるポテンシャルを持つデバイス」として位置付けるミニLEDバックライト技術を搭載した液晶テレビの旗艦モデル。65型に加え、75型、そして85型の3サイズを用意する。 65型「K-65XR90」は、4K/3,840×2,160ピクセルの倍速液晶パネルを採用。前述の通り、光源には、微細な青色LEDを全面に敷き詰めて、高精度に部分制御させるミニLEDバックライトシステムを導入。色変換効率に優れ、純度の高い波長が得られる量子ドットシートと組み合わせることで、高コントラストかつ広色域な映像表示を可能にしている。 昨年から大きく変わったのが、ミニLED光源をコントロールする「LEDドライバー」。従来の16bitから、新たに22bit制御になり、より緻密にコントロールできるようになったほか、ピーク電力使用量を抑え、電力消費時間を長くする制御によって電力効率の向上も実現。X95L比でエリア分割数は3倍超、ピーク輝度は1.5倍と達成しながら、消費電力の削減も果たした。 独自の認知特性プロセッサー「XR」は、2024年の最新バージョンを搭載。最新バージョンでは、AIを使った新たな検出機能を搭載したことで画質のさらなる向上を実現。特に、緑色のオブジェクトと人間の顔の認識精度が強化されている。 動画配信サービス・Prime Video向けの画質モードが追加されたのも2024年モデルのポイント。ブラビアはこれまで、NetflixとSONY PICTURES CORE(旧BRAVIA CORE)向けの画質モードを搭載していたが、2024年モデルからはPrime Video専用モードが追加。コンテンツのメタデータ情報を参照しつつ、視聴環境に応じた画に変化させる。 スピーカーシステムは「アコースティック マルチ オーディオ プラス」。パネルの背面上部に設置した、世界初の“ビームツイーター”が音を天井に反射させて視聴者に高音域を提供。音の定位感や広がりを高め、画面から音が出ているかのような包み込まれるようなサウンドを目指した。 実用最大出力は70Wで、ミッドレンジ、ツイーター、サブーファー、ビームツイーターがそれぞれ2基の8スピーカー構成。Dolby Atmos/DTSもサポートする。 OSは「Google TV」。独自のSONY PICTURES COREほか、NetflixやPrime Video、Hulu、Disney+、TVer、ABEMA、U-NEXT、Apple TV、YouTube、DAZNなどの各種映像配信サービスが楽しめる。 搭載チューナーは、BS4K/110度CS 4K×3、地上/BS/110度CS×3。別売の外付けHDDを接続すれば、2番組の同時録画も可能。放送視聴中の裏番組録画や2番組同時録画が行なえる。 HDMI入力は4系統。ARC/eARCのほか、4K120p入力や可変リフレッシュレートのVRR、自動低遅延モードのALLMに対応する。4K/144Hz入力は非対応。HDMI入力の他には、ビデオ入力(4極ミニ)、光デジタル音声出力、センタースピーカー入力、ヘッドフォン出力、USB、LANを備える。 消費電力は350Wで、年間消費電力は208kWh/年。標準設置時の外形寸法/重量は、144.3×34.9×84.6cm(幅×奥行き×高さ、スタンド含む)/34.8kg。 ■ マスターモニターとの比較動画、および各種測定データ パネル性能 輝度値 ※測定モデルは65型 カラースペクトラムとBT.2020カバー率 ※測定モデルは65型 入力遅延と仕様
AV Watch,阿部邦弘