ブロック処理、数時間に短縮…次世代パワー半導体材SiCインゴット向けに新加工法
YKTが提案
YKTは次世代パワー半導体に使う炭化ケイ素(SiC)ウエハー材料・インゴットの新たな加工法を提案する。機械商社として取り扱う海外製の最新成形研削盤と関連技術を売り込む。SiCパワー半導体は電力や鉄道向けに加えて、近年自動車への搭載も増えており、脱炭素社会を実現する切り札とされる。11月5日に開幕する日本国際工作機械見本市(JIMTOF2024)に出展して、セミナーなどで紹介する。 SiCは現在主流のシリコンより強度が高く、地球上で3番目に硬い化合物と言われる。電力変換に使うパワー半導体にSiCを用いると、損失を抑えてより効率的に電力を消費できる。SiCウエハー生産は米国や中国メーカーが多い。 YKTは今回、米ユーザック製のSiCブロック成形研削盤を売り込む。SiCウエハーの一般的な作り方はまずインゴットをブロック状に加工し、その後にスライスして円盤状に仕上げる。 SiCインゴットからブロックまでの処理時間が従来は1日以上かかっていたが、提案する加工法であれば数時間に短縮可能という。 YKTはJIMTOFでこのほかに、電極の消耗がなくバリ・後処理も不要なフランス・ペムテック製の精密電解加工機などを出展する。