【更年期世代の笑顔の作り方】最近笑顔が減っていない?誰でも簡単!口角を上げて健康になる方法
むすっとした顔よりも、笑顔でいるほうが、幸せな気分になりますよね。実は笑顔には、ストレス解消や血行促進などのほか、美容効果などさまざまな効果が期待できます。とはいえ、「更年期でつらいのに笑顔なんて…」「いきなり笑顔を求められても…」など、笑顔でいることは案外難しいもの。そこで今回は、笑顔の効果についてお伝えするとともに、誰でも簡単に笑顔を作ることができる方法について紹介します。 *写真で詳しいやり方を見る→【更年期世代の笑顔の作り方】最近笑顔が減っていない?誰でも簡単!口角を上げて健康になる方法 ■笑顔にはストレス解消、免疫力アップなど驚くべき効果がたくさんある 皆さん、笑っていますか? 実は「笑顔」にはストレス解消、血行促進、自律神経の安定、免疫力アップ、印象&運気アップ、さらには美容効果が期待できることがわかっています。その効果について一つ一つ、まずは解説していきましょう。 ■■笑顔の効果【1】:ストレス解消 笑顔になると、脳内の神経伝達物質である「セロトニン」が分泌されます。セロトニンは、別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、私たちの気持ちを明るくしてくれたり、精神の安定を保ってくれたりする役割をもっています。笑うことで脳内でセロトニンが分泌され、心を穏やかにしてくれたり、日ごろのストレス自体を解消する効果が期待できます。 ■■笑顔の効果【2】:血行促進 笑顔の効果2つ目は、血行促進、そして、代謝アップです。大笑いしているときのことを想像してみてください。大笑いしていると、息継ぎが必要になり、大きく呼吸して酸素をたくさん取り込みますよね。そして、大笑いしたら腹筋が痛くなった、なんて経験がある方も多いでしょう。酸素を取り込み、筋力も使う動作…といえば、運動と同じです。大笑いするだけで、運動に近い効果が得られるのです。そのため、大笑いは血行促進につながり、さらには代謝アップにもつながるのです。 ■■笑顔の効果【3】自律神経の安定 自律神経が乱れるとどうなるのでしょうか。自律神経には、興奮したときに優位になる交感神経と、リラックスしたときに優位になる副交感神経があります。笑ったあとは、リラックスモードの副交感神経が優位になり、心も穏やかになることがわかっています。更年期を例に考えると、40代~50代の女性は女性ホルモンが急激に減少します。すると、その影響を受けて、交感神経と副交感神経のバランスが取れない状態、いわゆる自律神経が乱れた状態になり、心や体に様々な症状が起こってきます。女性ホルモンの低下と自律神経の乱れによって起こる不調、これがいわゆる更年期症状です。 そのため、この更年期の時期に笑顔で過ごすことは、体調を整えるうえでもとてもおすすめです。とはいえ、心身ともにつらいなかで、「笑顔で過ごせと言われてもつらい」「そんな楽しいことはない!」という方も少なくないでしょう。そのような場合でも笑顔が作れる方法を後に紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。 ■■笑顔の効果【4】免疫力アップ 4つ目が免疫力アップです。米国のウェイン州立大学の研究チームの研究において、野球選手230人を対象に写真の中の表情と寿命の関係を調べる研究を行いました。満面の笑みの人とあまり笑わない人とを長期間にわたって調べ、その人たちの平均寿命を調べました。すると、満面の笑みの人たちはあまり笑わない人たちに比べて、7年も寿命が長かったことがわかりました。(*) *出典:Smile Intensity in Photographs Predicts Longevity / 2010 その要因はさまざまあると考えられますが、その1つではないかと考えられるのが、「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」の活性化です。免疫細胞の1つであるNK細胞は笑うことによって活性化されると言われています。笑うことで免疫力が上がり、健康へ導いてくれているのではないでしょうか。ストレス解消、運動に近い効果、さらに自律神経も安定し、免疫力もアップするとなると、健康長寿につながるのかも、というイメージがわきますよね。 ■■笑顔の効果【5】印象&運気アップ つらそうに「おはようございます」と言われるよりも、笑顔で「おはようございます」と言われたほうが、言われた側も言った側も気持ちよく朝が始められますよね。笑顔でいるだけで、印象はアップし、気持ちも明るくなります。 カーディフ大学の研究チームによると、美容目的のボトックス注射によってしかめ面ができない人はしかめ面ができる人よりも幸せであることもわかっています。(*2)眉間にしわを寄せるのではなくニコっと笑うこと、つまり、顔の筋肉を使って笑顔を作ることで、本当に気持ちが明るくなるのです。 *出典:Botulinum toxin cosmetic therapy correlates with a more positive mood 私は20代に演劇に携わっていたことがあり、何本もの舞台に立っていた経験があります。実際、笑うという演技はとても難しいものです。そういうときは、顔の筋肉を使って笑顔を作ることで、楽しい気持ちに切り替えやすくなることを実感してきました。悲しいときも同様です。悲しい演技をするときも悲しい顔をして、悲しそうな体勢をとっていると、本当に悲しい気持ちになっていきます。まさに、脳がだまされている、という実感をしてきました。一方で、笑顔でいると、明るい気持ちになり、雰囲気も明るくなり、自分だけでなく周りにもその雰囲気は伝播していきますよね。すると、物事は当然ながらうまく進みやすくなります。まさに運気がアップする!と言ってよい状態です。 ■■笑顔の効果【6】美容効果 笑顔を作るためには、顔のいろいろな筋肉を使う必要があります。表情筋といわれる眼輪筋、大頬骨筋、小頬骨筋などが代表的です。筋肉は全身どこの部位でもそうなのですが、動かすことで血流がよくなり、鍛えられます。血流がよくなると、むくみにくくなりますし、疲労物質などの老廃物も滞りにくくなり、シミやしみの予防にもつながります。 また筋肉を動かすことで、たるみの予防にもなります。たるみは、筋力が低下して重力に逆らえなくなっている状態です。笑うことで、顔の筋トレができ、たるみ予防につながるのです。さらに、顔の筋肉を動かすことで、脳への血流もよくなって、集中力がアップしたり、頭がぼーっとする感じもスッキリ晴れる効果も期待できます。 ■実践!笑顔の作り方:作り笑顔でも効果がある 笑顔でいることは、本当にいろいろな効果があるとわかったかと思います。そこでここからは、意図的に素敵な笑顔を作る方法をお伝えします。 ①「イーーーーー」の口を作る しっかり顔の筋肉も使って、口を「い」の形にします。イメージは「イーーーー」と言い続けるような形の口です。 ②口角を上げる さらに、笑顔の口元に近づくように、口角を上げます。こうすることで、頬にある小頬骨筋がしっかり使われます。これだけでも、笑うのが久しぶりな人は頬の筋肉が痛い感じがするかもしれません。 ③目尻を下げる ここからさらに目頭を上げて目尻を下げるようにします。そうすることで、目の周りにある眼輪筋が使われるとともに、とても楽しそうな笑顔が完成です。 ちなみに眼輪筋の衰えは、目の下のクマの原因になります。しっかり目尻も下げて眼輪筋を使い、クマ防止につとめましょう。5秒笑顔をキープしたら、5秒リラックス、5秒笑顔をキープ、その後5秒リラックス…と試してみてください。このように、笑顔には本当に様々な嬉しい側面があります。笑顔を作るだけでもこうした効果が期待できますので、ぜひ試してみてくださいね。 文/永田京子 株式会社ウェルネスシアター代表、ちぇぶら更年期トータルケアインストラクター 1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。口コミで広まり、企業や医療機関など国内や海外で講演を行い述べ6万人以上が受講。2018年カナダで開催の国際更年期学会で発表。
永田京子