管理栄養士が最初に教える食事のキホン 健康志向の人も意外に知らない「バランスのいい食事」とは
健康に関するさまざまな情報が飛び交う現在。それでも「バランスのいい食事」はハードルが高いと考えている人も多いのではないでしょうか。ここでは管理栄養士の山田賢児さんに食のキホンを教えてもらいます。 【動画】食事の基本から筋肉特化の情報まで、男子も必見の「筋育栄養学」
「バランスの取れた食事」とは、一言で言うと「健康の維持増進に役立つ食事」です。 日頃から健康志向が高い人でも、最も大切な食事のバランスが乱れているケースは多いようです。 まず参考にしたいのが、農林水産省が発表している食事バランスガイド。これを目安にすればキホンは押さえられると考えていいでしょう。
ここでは食品を主食、副菜、主菜、牛乳、乳製品、果物に分類し、それぞれの必要な分量も明記しています。たとえば主食をゴハンで摂る場合、小盛なら1杯、中盛なら1.5杯分と詳しく記されています。 あくまでも大衆向けに広く示された指標なので、体格や性別、年齢などによって多少の考慮は必要です。また、痩せたいという目標がある人は主食や主菜を少なめにしたり、体重を増やしたいという人は逆に多めの量を摂ったりすればいいと思います。 具体的な栄養素としては、体づくりの材料やエネルギー源となる「三大栄養素」、つまり、炭水化物、タンパク質、脂質が重要です。このバランスを提示した指標もあり、それによると1日の総摂取カロリーを炭水化物50~65%、タンパク質13~20%、脂質20~30%の内訳にすることが推奨されています。仮に総摂取カロリーが2000キロカロリーだとしたら、少なくとも50%は炭水化物から摂ることが目安になるわけです。 こちらも、それぞれの目的や個性によって量を変えてもいいですが、指標の範囲の中で増減させるようにすれば健康面の問題は起こりにくいと考えられます。 三大栄養素の他には、ビタミン、ミネラル、食物繊維なども大切です。ただ、これらのカロリーはゼロと考えていいので、量についてはあまり気にしなくていいでしょう。もちろん、あらゆるものにおいて摂りすぎは禁物ですが、常識的な範囲の量であれば問題ないと思います。 これらの指標をベースにして組み立てていけば、「バランスの取れた食事」は理論上は簡単です。実際、管理栄養士の基本的な指導も、これらの指標をもとに行なわれています。