9試合未勝利のワースト記録更新ヴィッセル神戸は就任濃厚のロティーナ新監督で変わることができるのか
明治安田生命J1リーグ第7節が6日に行われ、未曾有の不振にあえいでいるヴィッセル神戸がFC東京に1-3で逆転負け。開幕から続く未勝利を4分け5敗の9試合に伸ばし、リーグ戦におけるクラブワースト記録をさらに更新した。 敵地・味の素スタジアムに乗り込んだ神戸は、前半11分に元日本代表MF山口蛍(31)の今シーズン初ゴールで先制したが、後半に入って9、12、21分と立て続けに失点。FC東京の猛攻の前に、脆さを指摘されてきた守備陣がまたもや耐えきれなかった。 成績不振を理由に三浦淳寛前監督(47)を解任したのが3月20日。スペイン出身のリュイス・プラナグマ・ラモス監督(41)を、暫定の形で内部昇格させるもチーム状態が上向かないなかで、東京ヴェルディやセレッソ大阪、清水エスパルスで指揮を執った、同じくスペイン出身のミゲル・アンヘル・ロティーナ氏(64)の監督就任が確実視されている。
「あんなに簡単に失点してたら勝てる試合も勝てない」
今シーズン3度目の先発で初めてフル出場したMF汰木康也(26)が、試合後のオンライン会見で残した言葉が神戸の現状を端的に物語っていた。 泥沼から脱出するためには、守備と攻撃のどちらから改善すべきか。打開策を問われたドリブラーは「どちらも大事だと思う」と前置きした上で、まずこう続けた。 「ちょっと失点が安い気がするし、あんなに簡単に失点していたら、勝てる試合も勝てないので。ディフェンスラインだけではなく、自分たち(攻撃陣)も含めてもう一度映像を見て、コミュニケーションを取っていきたい」 オフに浦和レッズから加入した新戦力が言及したように、ここまでの9試合で献上した「15」もの総失点はリーグワースト。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の関係で他チームよりも消化試合数が2つ多いとはいえ、神戸の失点禍が止まらない。 FC東京の選手たちの言葉からも、神戸の守備の脆さが伝わってくる。 例えば後半9分の同点弾をお膳立てした元日本代表FW永井謙佑(33)。スルーパスに反応してペナルティーエリア内の右を抜け出し、さらにもう一歩ボールを前へ運んでから逆サイドのFWアダイウトン(31)へ送った絶妙のクロスをこう振り返った。 「最初のタイミングで上げようと思ったら、相手が誰も寄せて来なくて間ができていた。中をしっかり確認できたので、アダ(アダイウトン)の位置も見えていた」 3分後に逆転弾を決めた元日本代表DF森重真人(34)も続いた。左コーナーキックの流れでペナルティーエリアの外、ゴール正面にポジションを移し、DF渡邊凌磨(25)から永井、アダイウトン、そしてFWディエゴ・オリヴェイラ(31)と、テンポよく繋がれてきたボールをゴール左隅へ突き刺した一撃に笑顔を弾けさせている。 「セットプレーの流れで最初は逆サイドにいたけど、真ん中に(相手が)誰もいなかったので『こぼれてきたらラッキー』と思っていたら、本当にボールが来たので」