娘が看護師を目指しており「大卒」と「専門卒」の進路で悩んでいるようです。アドバイスをしてあげたいので「年収」など特徴を教えてください!
看護師になるにはいくつかの方法がありますが、多くの人は高校卒業後、看護専門学校もしくは看護大学へ通い、国家試験を受けます。 看護師の資格取得を目指せる点では共通していますが、専門学校卒業と大学卒業では異なる部分が複数あり、その1つが就職してからの年収です。 そこで今回は、専門学校と大学では、どちらの方が卒業後の年収が高いのか、またそれぞれのメリット・デメリットについてもご紹介します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
大学卒業と専門学校卒業の看護師の年収
大学と専門学校を卒業した場合では、初任給から額に違いがあります。日本看護協会が発表している「2023年病院看護実態調査」の給与額を基に、年収を計算したものが表1です。 表1
※日本看護協会「2023年病院看護実態調査」を基に筆者作成 「平均税込み給与総額」には、時間外勤務手当と新型コロナウイルス感染症に係る危険手当をのぞいた各種手当が含まれます。年収は、平均税込み給与総額に12を掛けた数字で、賞与は含まれません。 表1を見ると、大学と専門学校の卒業後の年収には、およそ10万円の差があることが分かります。 ただし給与額は、大学卒業・専門学校卒業に限らず、病床規模や勤務する都道府県、病院の設置主体によって異なることが分かっています。 例えば、専門学校を卒業し、静岡県内の病院に勤務した場合の平均税込み給与総額は、28万5066円です。一方、大学卒業後に、鳥取県内の病院に勤務した場合の平均税込み給与総額は24万9166円となっています。都道府県が異なれば、専門学校卒業者の方が、大学卒業の看護師よりも給与が高くなるケースもあり得るのです。
大学卒業と専門学校卒業では昇給額に差があるのか?
卒業する学校によって初任給に差があることをご紹介しましたが、ここからは昇給額の差について説明します。 明確なデータはありませんが、一般的には大学卒業の看護師の方が早く昇給し、長く勤務するほど差が開くといわれています。大学の方が長く学校に通う分、より幅広い看護の知識があると評価されるためでしょう。 「看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査」で令和5年と10年前を比較すると、専門学校の数は、528校(1学年定員2万6271人)から543校(1学年定員2万6811人)と、微増にとどまりました。対して4年制大学の数は、218校(1学年定員1万7878人)から306校(1学年定員2万6245人)と、1.5倍近く増加しています。 調査結果からも、4年制大学を卒業した看護師の需要が増えていることが分かります。