【特集】「飼い主が自ら命を…」一生一緒にいたくても、様々な理由で起きる『ペットの飼育崩壊』飼い主と動物、両方の“命”に寄り添う現場に密着「高齢者もペットも両方とも見守る」
ペットは、大切な家族の一員。しかし今、飼い主の高齢化・急病などで世話ができなくなったり、コロナ禍などの社会的事情で飼い主を失ったりして、行き場を失う動物が増えています。飼い主と動物、その“両方”を救おうとする活動を追いました。 【動画で見る】大切な家族の一員、ずっと一緒にいたいけど…“飼育崩壊”からペットと高齢者を守る現場に密着
“最後の犬”と決めて飼うも思いがけず入院…退院後もペットのために施設の入所を拒否「できるだけ最後まで見てあげたい」
ボランティアスタッフが訪問したのは、坂本昌子さん(77)の自宅です。 (坂本昌子さん) 「まだ働いているときだったので、ペットショップで買ったんです。絶えず犬がいる生活だったので、この子がもう最後の犬かなと思って」
愛犬・風太くんを最後の犬と決めて飼い始め、8年が過ぎたところですが…。 (坂本さん) 「道で倒れて救急で運ばれて、2か月ほど入院したんです。そのときから、ずっと保護の方にお世話になっていまして」 坂本さんが緊急入院したとき、福祉関係者からの連絡を受けてスタッフが急行。風太くんを一時的に預かって、保護しました。それから2か月後、坂本さんの体調が回復し、退院が決まったときのこと―。
(坂本さん) 「退院するときに、施設に入りますか?と言われたんですけど、もうちょっと犬と暮らしたいから断りました。まだ風太は8歳だから、私より長生きするかもわからないけど、できるだけ最後まで見てあげたいと思って。この子がいるから毎日、朝に起きて晩に寝てという生活ができているので。独りぼっちだったら、だらだらしていると思います」
体は不自由でも、風太くんと一緒に暮らしたい―。今は一人で散歩ができるようリハビリに励んでいて、週に1回、ボランティアスタッフが「散歩代行」や「ペット用品の買い出し」などを支援しています。
ペットを飼育する高齢者を支援しているのは、兵庫・尼崎市で野良猫やペットの保護活動をしているNPO法人『C.O.N』です。野良猫の不妊去勢手術をする“地域猫”活動や、譲渡会などを続けてきました。3年ほど前から「飼い主が高齢化して世話ができなくなった」という相談が増え、動物が路頭に迷わないよう、飼い主への支援を始めました。
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