【特集】「飼い主が自ら命を…」一生一緒にいたくても、様々な理由で起きる『ペットの飼育崩壊』飼い主と動物、両方の“命”に寄り添う現場に密着「高齢者もペットも両方とも見守る」
現在は、2匹の保護猫と暮らしています。もるさんちゃんは13年前、近所の蕎麦屋さんの残飯を漁っていると聞き、捕獲器を仕掛けて保護しました。 (藤村さん) 「野良猫が赤ちゃんを産んでしまって、またその地域で子猫が増えて。親猫・子猫という状況が広がっているので、受け入れる量としては、もう限界を超えているんです」
活動すればするほど、保護される猫は増える…ジレンマの中、里親を探すまでの間、保護施設にいる高齢の猫を一時的に預かってもらう『預かりボランティア』という取り組みも始めました。
松本敏さん(76)と妻・絹江さん(72)は、10年ほど前まで猫を飼っていましたが、その後は年齢を考えて、ペットは諦めていました。そんなとき『預かりボランティア』を知り、飼い主のいない高齢の猫を預かり始めました。
(松本絹江さん) 「預かって、なかなか里親さんが見つからず、もう2年やね」 (松本敏さん) 「3年目です」 (絹江さん) 「いろんな猫を預かっているけど、こんなに長いのは初めて。飼いたいけど、もう無理やもんね」 (松本さん) 「こっちが年寄りですからね」
ペットとして飼うことはできなくても、ボランティアを通じて喜びを得られます。さらに、里親が見つからなくても、高齢の猫を看取ってもらえる可能性も広がります。
飼い主が自ら命を絶ち、居場所を失った1匹の猫 次は「絶対に幸せになるように」譲渡会に参加したが…『保護猫施設』の厳しい現状も
尼崎市内にある保護猫施設『ふみふみ』には、約80匹の猫が保護されています。『C.O.N』とも連携を組んでいますが、多頭数の猫を保護するのは、簡単なことではありません。 (『保護猫ふみふみ』代表・西尾美香さん) 「医療費だけで、年間400万~500万円かかります。電気代とか入れて、800万円ぐらいはいくのかなと。里親さんの寄付とか皆様の寄付とかで、何とか…」
もともと西尾さんは会社員として働いていましたが、年間200件以上の相談を受け、活動に専念するため会社を辞めました。今は貯金を切り崩し、バイトをしながら保護施設を運営しています。
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