【特集】「飼い主が自ら命を…」一生一緒にいたくても、様々な理由で起きる『ペットの飼育崩壊』飼い主と動物、両方の“命”に寄り添う現場に密着「高齢者もペットも両方とも見守る」
(『C.O.N』理事長・三田一三さん) 「高齢者も、長生きするのには“安らぎ”というかペットが必要ですが、病気になったりして入院しないといけないという場合に、引き受けてくれる所がないと。そういう高齢者もペットも両方とも見守って、面倒を見られるような場所があればということで、そこからスタートしました」
『シニア飼い主の支援』『一時預かりボランティア』“小さな命”を守るための様々な対策も、活動すればするほど保護される猫は増加する実情「もう限界を超えている」
この日、ボランティアスタッフが訪れたのは、一人暮らしの女性(84)の自宅。一緒に暮らすのは野良猫だった親子、母猫・ミーちゃんと娘・ミーコちゃんです。 (女性) 「朝起きたら、この白黒(ミーちゃん)がベランダで、子どもを6匹産んでいました。自分の年齢をみたら飼えないのはわかっていたから、いくらかわいくても、飼う予定はなかったんです」
2017年、自宅のベランダで、野良猫だったミーが6匹の子猫を産みました。動物愛護センターに保護を求めたものの殺処分になると聞き、『C.O.N』に相談。その後、4匹の子猫は里親が見つかりましたが、残された2匹は、住み慣れたこの場所で飼うと決めました。
『C.O.N』のスタッフは週に1回、トイレの掃除や餌の買い出し、猫の爪切りなどもサポートします。部屋には、「ペットの緊急連絡先」として『C.O.N』の連絡先が書かれたステッカーが貼られていました。 (女性) 「もしも入院するようなことがあったら、『ここに必ず電話するんやで。そのときになったら、家の鍵を預かってでも餌をやりに行くから』と言ってくれて、ちょっと安心かなと思っています」
3年前から始まった『高齢者とペットの安心プロジェクト』ですが、活動資金は「ふるさと納税」で尼崎市に寄付された寄付金だけが頼りです。限りある資金の中で、高齢な飼い主とペットの暮らしを支えることは、簡単ではありません。
『C.O.N』のスタッフ・藤村貴代美さんは、施設で収容できない猫たちを、自宅でも保護しています。 (『C.O.N』スタッフ・藤村貴代美さん) 「私がお世話するなかで、7匹が限界かなと思っていて。7匹の中で里親を探したり、この10年ぐらいは、それぐらいをずっと回っていた感じです」
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