アジアサッカー連盟再編の可能性はあるのか── オーストラリアはどうなる?
1月に開催されたサッカー・アジア杯の大会中に、オーストラリアをアジアサッカー連盟(AFC)から追い出そうとする動きが西アジア諸国で起きているとの報道があった。日本にとって、韓国と並ぶアジア最大のライバル国・オーストラリアの動向は気になるところ。オーストラリア排斥という動きの背景には何があるのか。AFC加盟国再編の可能性はあるのだろうか。 AFP通信などによると、1月下旬にバーレーン人のサルマン・アル・ハリファAFC会長がUAE(アラブ首長国連邦)の日刊紙『アル・イティハド』に対し、湾岸諸国などは、オーストラリアがAFCに籍を置いてることに対して不満を持っていると明かしたことが、本件の発端となっている。 第一報があったのは、折しもオーストラリア対韓国によるアジア杯決勝(1月31日)が行われる直前のタイミング。オーストラリアサッカー協会は困惑をあらわにし、「サッカールー」の愛称で知られる代表チーム内にも動揺が起きたという。 ところがその報道があった直後の1月30日には、サルマン会長がオーストラリアの地元紙に対して「このタイミングでこのような話題がもたらされたことに、私は唖然としている。これは偽りの話題だ。私のコメントは操作されている」と語り、UAE紙の報道を全面的に否定した。 しかしながら、サルマン会長の否定コメントをもって一件落着とするのは早計だろう。なぜなら、水面下で中東諸国が不満を抱いているのは事実であり、違和感を抱いているというレベルならば、それは西側だけにとどまらない。アジア杯決勝でオーストラリアに敗れた韓国のドイツ人指揮官、ウリ・シュティーリケ監督は準優勝のインタビューの冒頭で「オーストラリアはアジア大陸ではないので、優勝といいますか…」と苦笑いを浮かべながらチクリと刺していた。 そもそもオセアニア地域にあるオーストラリアがAFCに加盟したいきさつはどのようなものだったのか。 オーストラリアは1966年にオセアニア連盟(OFC)に加盟。オセアニアにはW杯の自動出場枠が与えられていなかったが、オーストラリアは大陸間プレーオフを制して1974年の西ドイツW杯と2006年ドイツW杯出場を果たした。