京都・松尾大社で酒造りの成功を祝う「上卯祭」 ユネスコ登録でも注目
酒の神として信仰を集める松尾大社(京都市西京区)で11日、酒造りの安全と豊穣(ほうじょう)を祈願する「上卯祭(じょううさい)」が行われた。日本の「伝統的酒造り」がユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録される見通しとなったことなどから、例年より多い約40の酒造業者らが参列した。 上卯祭は秋の収穫を終え、酒造りが始まる11月の最初の卯の日に執り行われる神事。この日は和洋酒だけでなく、しょうゆやみそなどの醸造業者や卸小売業者約80人が本殿に集まった。 多数の酒が供えられた本殿では、生嶌(いくしま)經和宮司によって酒造りの成功を祈る祝詞が読み上げられた。また祭典中、酒好きの神様を描いた松尾大社ゆかりの狂言「福の神」も奉納された。 北川本家(京都市伏見区)で杜氏(とうじ)を務める田島善史さん(62)は「ユネスコの登録はうれしいこと。酒造りの技術をしっかりと後世に伝えていきたい。海外でも日本酒市場は伸びているので気合が入る」と話した。(田中幸美)