最先端のAIテクノロジーを介してファッションの未来の扉をグローバルに開く、「AIファッションウィーク」のこれから
近年、日常生活においてAIテクノロジーの進出には目を見張るものがあり、一部の人間の仕事がAIに取って代わられるのではないかという懸念もある。 そんななか、洋服のデザインはもちろん、ランウェイの演出から背景の観客、ストリートスナップまで全てAIで生成した世界初の「AIファッションウィーク(AI Fashion Week)」が今年4月にニューヨークのスプリングスタジオで行われた。このファッションウィークは会場にモニターが設置され、そこに参加デザイナーが発表したルックが静止画で映し出されるというものだった。 フランス出身のファウンダー、シリル・フォワレ(Cyril Foiret)にAIファッションウィークの開催意図、AIとファッションの未来についてインタビューを行った。
長年のファッション業界での経歴を通じて感じたAIの必要性
ーまず、シリルさんのバックグラウンドについて教えてください。 ファッション業界でキャリアをスタートしたのはパリで、ファッションスタイリストのアシスタントから始まりました。 15年前に拠点をニューヨークに移してからもスタイリストを続け、ロサンゼルスでヨーロッパブランドをアメリカ市場向けにセールスをするショールームを開きました。 2008年の金融経済危機で事業に浮き沈みはありましたが、ライフスタイルのトレンドにフォーカスしたオンラインマガジン「Trend Land」をスタートし、今も運営しています。 その後、Web3やNFT、コーディングを学び、AIクリエイティブスタジオ「メゾン・メタ(Maison Meta)を創設しました。「メゾン・メタ」はAIを駆使し、「プラダ」や「モンクレール」「パンガイア」「H&M」など、ラグジュアリーメゾンからSPA業態まで、さまざまなアパレル企業を顧客に持っています。
ーAIファッションウィークについて、概要を教えてください。 今年4月に第1回「AIファッションウィーク」をニューヨークのスプリングスタジオで開催しました。 アメリカやヨーロッパを中心に世界各国から350名以上のデザイン応募があったのですが、年齢も18歳から68歳までと幅広く、応募者のプロフィールはファッション業界だけでなく、さまざまな業界の人々が参加をしてくれました。 AIデザイナーたちは「ミッドジャーニー」や「スティーブル ディフュージョン」などのAIソフトを駆使し、実際のファッションウィークで目にするようなリアルな洋服をデザインしました。その中から上位約50名のAIデザイナーたちの作品がスプリングスタジオで発表されました。