広がる高齢者の働き方に密着 家電販売員や保育補助など「若く見られるのも働いているおかげ」
今、働く高齢者が増え続けています。その働き方も様々。どんな仕事をしているのか、なぜ働き続けるのか、仕事現場を取材しました。 【写真16枚】広がる高齢者の働き方に密着 家電販売員や保育補助など 画像でみる
1日1万歩!家電量販店で奮闘の83歳「根性はある」
家電量販店に勤務する熊谷恵美子さん、83歳。 こちらで働き始めて14年。主な仕事は品出しや接客。週3日、一日6時間のシフトで働いています。 20代は編み物の講師、40代の頃は呉服店で働いていたという熊谷さん。83歳の接客ぶりをウォッチングしました。 10年ぶりに洗濯機を買い替えに来たという80代の夫婦。 夫: 洗い、すすぎ、脱水、いちいち押してたら分かんない。 熊谷さん: このままで大丈夫ですよ。 夫: スタート押せば自動でやってくれる? 熊谷さん: 10年だとだいぶ洗濯機が賢くなっている。 夫: これは俺にもできるね。 妻: どっちが先にいなくなるか。 熊谷さん: いやいや、今はもう100歳の時代だから。私も83歳なんですよ。 夫: 同級生だ! 熊谷さん: だからまだまだ大丈夫ですよ。 ノジマ イオンモール川口前川店 永田幸亮店長代行: 地域柄お年寄りの方のご来店が多いので、お客さま(高齢者)目線でのご案内ができる。すごいなと尊敬しています。 品出しでは他のスタッフと同じように重い家電も運び、フットワークも軽く、1日1万歩を超えるそうです。 熊谷さん: 根性はある。激動の昭和を生きてきたので。 (仕事をせずに)一日何もすることがないということが怖い気がする。ボケるかもしれないとか思っちゃう。みんなに若く見られることもあるけど、それも働いているおかげだと思ってます。
元銀行員の76歳「ただただ楽しい」保育補助の仕事とは?
76歳、宮田久美子さんの仕事は「保育補助」。こちらの保育園で週5日働いています。 元々は銀行などに勤務していた宮田さん。68歳でリタイアしましたが、70歳の時に再び働くことを決めたといいます。 宮田久美子さん(76): 最初はやっぱりお金です。年金はもらってましたけど、年金で果たして十分かというと絶対十分じゃない。数万でももらえたら余裕が生まれる。気持ちの余裕も生まれるのと、ちょっとおいしいもの食べようかなとか。 宮田さんが選んだ「保育補助」の仕事。時給は1200円から1300円。 保育士と違って資格はいらないといいますが、どんな仕事なのでしょうか? 朝は6時45分に出勤し、掃除を開始。さらに遊具やイスの配置など、園児を迎える準備をします。 横山ルリカ情報キャスター: やることがいっぱいなのか早歩きで、ひとつひとつ点検しながらやっていますね。 園児がやって来たら、保育士と一緒にお出迎え。0歳児から2歳児までの子供が通うこちらの保育園。あっという間に散らかってしまいます。 保育士が円滑に子どもの世話をできるようにするのも保育補助の仕事。 宮田さん: 働き始めたらお金のことなんか吹っ飛んじゃって、ただただみんなと楽しいと思ってやってます。 保育園運営事業者代表 及川敬子さん: そもそも保育士も人手不足という中で、気づかないところも細やかに丁寧にやっていただけるので本当に助かっています。 宮田さんにとっては保育士も孫の世代。仕事以外の相談に乗ることも…。 20代保育士: この間のご飯会でいい人に出会えなくて…どうしたらいいですか? 宮田さん: 彼氏がほしいんだね。 20代保育士: 彼氏というか、好きな人がほしいです。 宮田さん: お休みの日にいろんなことして、趣味のこととか。(恋愛のことは)ちょっと忘れて、ほしいほしいと思わない方がいいと思う、自然体で。 20代保育士: いろんな話を愛をもって聞いてくださる方なので、私たちもすごく安心してお母さんのように話しています。 仕事は朝の9時に終了。 卓上のカーリング「カーレット」に和太鼓や合唱など、午後は趣味の時間を満喫します。 宮田さん: すごい楽しいでしょ!最高ですよね。