「普段健康な人なら、自力で治せる病気の一つ」…《インフルエンザ警報発令中!》医療機関が休みの新年でも慌てないための心構え
薬は症状が出てから購入を、買い占め注意!
「個人差はあるものの、発症初期は症状が非常に強く出ることが多いですが、普段健康な方なら熱が5日続くようなことはありません。ただ、咳や痰などの症状はしばらく残ることがあります」(前出の田中院長、以下「」も) しかし、正月には医療機関だけではなく、薬局も閉まるところが多い。あらかじめ必要な薬を購入すべきか悩む人も多いだろう。 「薬は症状が出てから購入するのが基本です。焦らないでください! 不安から買い占めなどの行動に走ることは避けてください。必要な人に薬が行き届くよう、適切に行動することが求められています。正月でもすべての薬局が閉まるわけではありませんので、状況を見ながら購入するのがいいでしょう」 市販薬を飲んで症状を和らげる場合、そのときにどんな薬を飲めばいいのか。また、飲んではいけないのか。 「症状に応じた薬を選ぶのが適切です。熱なら解熱剤、咳なら咳止めを使用して良いでしょう。ただし、注意してほしいのが総合感冒薬です。熱、咳、鼻水など多様な症状の治療薬になりますが、解熱作用のある成分が含まれているため、例えば解熱剤と一緒に総合感冒薬を服用するには注意が必要です。解熱剤の成分の過剰な接種になる可能性があるからです。症状に応じて、単体の薬を使用するとか、総合感冒薬だけを使うか、区別して考えてください」
症状が出たら集まらない!
また、こまめな手洗いやうがい、人混みではマスクの着用、換気の徹底など、できる限りの感染予防策も講じたい。 「年始に予定がある方は、人混みへの外出を避ける選択肢を持ち合わせてみてください。ただ、どうしても新年会や人に会う機会が普段よりも増える時期のため、なかなか難しい面もあります。ですが、現実的に忘年会などでたくさん集まり、その後、感染者が多発することを現場ではよく経験しています。 少なくとも、具合が悪かったら参加しない、集まらないことを意識しましょう。症状が少しでも出た場合、参加をキャンセルし、次の機会にと調整するのが適切です。そのような理由で突然キャンセルした方がいても『仕方がないこと』と寛容な姿勢を持ってほしいですね」 新型コロナ禍での記憶がある分、季節性であるとはいえ、インフルエンザの感染拡大のニュースを目にして、不安を覚える人もいるだろう。 「インフルエンザはコロナ前も毎年こうやって流行していた冬の感染症です。多くの普段元気な方が一気に体調を崩し、大変辛い症状に襲われますが、重症化することは稀です。回復されることでしょうが、ぜひ皆様お大事になさってください」 年末年始、という特別な時期ではあるが健康で新しい1年を過ごすためには、相手のことを少しでも思いやる気持ちが大切だ。家族や周囲の健康を守るため、慎重な判断を心がけたい。 ……・・ 【もっと読む】「手の消毒は逆効果」「ビニールカーテンは無意味」...日本人が知らない「新型コロナは空気感染」という事実
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