将来のために、20代のいまのうちから「毎月5万円」を貯蓄に回そうと思います。タンス預金ではなく「NISA」にするといくら得しますか?
20代になり就職をすると、将来に向けて少しずつでも貯蓄をしたいと考える方もいるでしょう。将来のための資産形成では、NISAの活用も方法のひとつです。NISAでは、うまく運用できれば60歳のときには収益が元本の2倍近くになる可能性もあります。 また、NISA以外でも貯蓄をするコツが分かれば、より多くの将来に向けた資金を作れるでしょう。今回は、20代からNISAで毎月5万円を投資したら積立総額の目安はいくらになるのか、また20代の貯蓄などについてご紹介します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
20代から毎月5万円をNISAで投資するといくらくらいになる?
今回は、以下の条件でNISAを活用して投資したときの金額シミュレーションを行います。 ・想定利回り(年率)3% ・毎月5万円積立 ・積立期間は20~60歳までの40年間 金融庁が公開している「つみたてシミュレーター」によると、条件を基に60歳まで積み立てをしたときの運用収益は2230万円、元本は2400万円の合計4630万円です。タンス預金のみで貯金をすると「5万円×12ヶ月×40年」で2400万円のみなので、積み立てたほうが約2倍多く貯蓄できる計算になります。 また、利回りを変更すると貯蓄額はさらに増えるでしょう。想定利回り別の積立金額は表1の通りです。 表1
※筆者作成 ただし、利回りが大きいほど損失が発生するリスクも高まります。将来のための資産形成なら、人生設計も考えたうえで、許容できる範囲内の利率を選びましょう。
20代の貯蓄額はいくらくらい?
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によると、年間の手取り収入から貯蓄に回す割合は、20代だと「貯蓄しなかった」が30.8%と最も多い結果でした。つまり、69.2%の方は収入から貯蓄をしていることになります。なお、20代で手取り収入から貯蓄している方の貯蓄割合は平均18%です。 また、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」では都道府県、年齢階級別の平均収入が記載されています。東京都の25~29歳の場合、企業規模が10人以上の平均月収は31万5300円、年間賞与やその他特別給与は67万2000円でした。つまり、20代後半の年収目安は「31万5300円×12ヶ月+67万2000円」で445万5600円です。 手取りは全体の80%程度といわれるため、年収目安の80%である356万4480円が手取りの目安になります。もし「家計の金融行動に関する世論調査」の結果のように、356万4480円から18%を貯蓄に回したとすると、年間の貯蓄額は約64万1606円になります。 5万円を12ヶ月貯蓄すると60万円なので、1年では目安よりは少ない結果です。しかし、NISAの積み立てではうまくいけば徐々に資産が増えていくので、同年代より多く貯蓄ができる可能性もあるでしょう。 ただし、東京都以外の地域によっては平均月収などが変わるため、平均貯蓄額も異なります。