けがや出産時の安心感アップ!拡充するフリーランスの社会保障
フリーの女性の産休中の国民年金保険料が免除
2019年4月から、個人事業主やフリーランスの人が同月1日以降に出産した場合に、出産前後の一定期間の「国民年金保険料」が「免除」になりました。ここで言う「出産」とは、妊娠85日(4か月)以後の生産(早産)、死産(流産)、人工妊娠中絶を指します。 出産が予定されている月の前月から4か月間の「産前産後期間」の国民年金保険料が免除されます。なお、双子など多胎妊娠の場合は、出産が予定されている月の3か月前から6か月間の国民年金保険料が免除されます。 たとえば、フリーランスの女性が2024年5月に出産した場合、同年4月から7月までの4か月間、国民年金の保険料が免除になります。免除される保険料は「1万6980円(24年度保険料)×4か月=6万7920円」となります。 保険料免除の期間は、保険料を納付したものとみなされるので、将来に受け取る年金額への影響はありません。ちなみに、国民年金保険料を前納で支払っているという人もいると思いますが、その場合には、申請すれば保険料が還付されます。 さらに、2024年1月から、個人事業主やフリーランスの女性が出産した場合に、出産前後の一定期間の「国民健康保険料」が「免除」されることになりました。 免除の対象となる期間は、国民年金保険料の免除期間と同じで、出産が予定されている月の前月から4か月間です。双子など多胎妊娠の場合はやはり、出産が予定されている月の3か月前から6か月間の国民健康保険料が免除されます。 23年11月1日以降の出産が免除の対象となります。たとえば、単胎妊娠の女性で出産予定月が24年4月の場合、3月から6月までが免除対象です。3月分は23年度の保険料から減額され、4月~6月分は24年度の保険料から減額されます。 多胎妊娠の女性は、1月から6月までの分の保険料が免除対象になります。1月から3月までの分は23年度の保険料から減額され、4月から6月までの分は24年度の保険料から減額されます。 国民健康保険は、世帯主が世帯全体の保険料を一括して納付する仕組みとなっているため、実際の保険料免除は、世帯主の保険料納付総額から、出産する当人の分として算出された金額を減額する形になります。 国民健康保険料の具体的な算定方法などについては、各市区町村の条例(国民健康保険組合の場合は規約)などで定められているので、具体的な金額はお住まいの自治体で確認するようにしましょう。 働き方が多様化する中で、フリーランスの人に対する社会保障も拡充されてきています。社会保障制度は、自分自身の働き方の選択にも関わってくるので、今後も情報のアンテナを張っておきましょう。(ファイナンシャルプランナー 高山一恵)