「いま樹海にいて、死のうとしているんだ」自殺を図ろうとしたひきこもり男性に起きた奇跡…うつ病、ギャンブル借金、絶望の人生から這い上がった48歳「今が一番楽しいっすよ」と言えるワケ
「今が一番楽しいっすよ」
今年3月、なおさんは相続終活専門士の資格を取った。義理の父親ががんになり、相続や老後のことを考えたのがきっかけだ。 「コロナ禍があって、たまたまITの仕事に戻れたけど、どんどん新しい技術も入ってくるし、体力的にもキツイので60歳までやれるとは思えない。だから、ITの仕事ができなくなっても、別のことをできる体制にしておきたかったんですよ。 相続の仕事は人の役にも立てるし、自分の老後の勉強もできる。なんか、終わりよければすべてよし、じゃないけど、最後ぐらいはちゃんと綺麗に締めたいよね。 俺、運は間違いなく強いっすよね。幼少期は恵まれなかったけど、そこで人生終わるかと思ったら、たまたま首の皮一枚でつながったみたいな、ずっと、そんな感じだったし。親にはほめられた記憶がないけど、友だちの出会いには恵まれて、『頑張って生きてきたね』とか、すっごいほめてもらえるし。プライベートはホント楽しい。今が一番楽しいっすよ」 取材・文/萩原絹代
萩原絹代
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