月別打率が.315から.273と波小さく…中日・細川の数字が語る“安定と進歩” 来季への伸びしろは勝負強さか
渋谷真『数字は語る~2024年竜戦士』その8 細川成也が残した数字が語るのは「安定」と「進歩」である。今季の月別打率は最高が7月の3割1分5厘で、最低でも9・10月の2割7分3厘。5月に3割6分で月間MVPを受賞した一方で、9・10月に1割3分8厘と失速した昨季と比べて、明らかに波が小さかった。 「去年の最後はホームランこそ打ったけど、打率がめっちゃ落ちたのを覚えていたので、今年はそこを意識していたんです。去年は(レギュラー)1年目だったのでへばったのか、投手についていけなかったのか、自分でもわかりませんでした。今年は意識を変えたんです」 チーム唯一の全試合出場とベストナイン。その過程で和田打撃コーチ(当時)から言われ続けたことがある。 「一日一本! 4タコじゃなく3タコにして四球を1つ取れ。3割と2割9分の差は、1試合1個の四球でつくんだと。打席でも試合でも、最後までしつこく。そう意識して戦い抜きました」 安定とともに進歩も見逃せない。昨季は規定打席到達者の中でリーグワーストだった2ストライク後の打率(1割4分9厘)を、今季は2割1分3厘(14位)に改善。本塁打も2本から9本へと増やした。 「去年、一年間やってみて自分なりにノートをつくったんです。投手の特徴や傾向を今年も書き足して…。追い込まれてもこの投手ならここらへんを狙っていこうとか考えられた。ずっと試合に出させてもらった経験は生きていると思います」 もろさ、粗さだけでなく、少し苦にしていた右投手(2割3分3厘→2割7分2厘)も克服。今やチームの看板打者に成長した。 「来年はもったいない打席を減らして、打点を増やしたい」 確かに得点圏打率2割8分2厘の割には打点が物足りない。昨季の躍進に続き、今季の細川がつかんだ安定と進歩。来季への伸びしろは勝負強さか。リーグを代表する強打者への期待が高まっている。
中日スポーツ