野球界における「キャリア組」「ノンキャリア組」の大きな違いとは?【里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール!】第14回
■批判する者の口を封じるためのアクション 里崎 で、最初の話に戻るけど、僕は「ノンキャリア組」だから「どうすればメディアで生き残れるんだろう?」と考え続ける必要があった。それはセ・リーグ出身者には、なかなかわかってもらえないことなんだけどね(笑)。 五十嵐 そう言われちゃうと、何にも言えなくなっちゃうよ(笑)。だけど、確かに僕の場合は、サトさんのようにそこまで戦略的に考えることなく、自分でやっていて「楽しいか、楽しくないか?」ということを大切にして、多くの人に支えながらここまでやってきた感じですね。でも、サトさんのような生き方や考え方だと、多くの人からの批判にさらされることになりそうで、それはそれで大変そうだけど......。 里崎 結局、野球解説者が批判されるのってふたつの理由からなんです。ひとつは「お前、試合を見てないだろ」って批判。もうひとつは「この選手のこと、何も知らないな」という批判。でも、僕の場合は2019年シーズンから「全試合チェック」を始めて、自分のYouTubeチャンネルで全試合の解説をしているから、「何も見てないな」「何も知らないな」と批判することができない。最初からそういう人たちの口を封じたんだよね。 五十嵐 サトさんの場合、ただ単にエッジの効いたことを言ったり、世の中の大多数の意見の逆張りをしたりしているだけじゃないですよね。「全試合チェック」のようにやるべきことをやっているから、とんちんかんな批判にも動じないし、何よりも「オレはこれだけのことをやっているんだ」という揺るぎない自信も芽生える。そこが、誰にも真似のできないサトさんの強みですよね。 里崎 「ノンキャリア組」だから、「誰もやらないことをしよう」という思いで「全試合チェック」を始めただけ。でも、それは決して「僕しかできないこと」じゃなくて、「誰でもできるけど誰もやらないこと」というのポイントなのかな? 五十嵐 サトさんの努力や戦略はよくわかるけど、でも、僕自身は自分のことを「キャリア組だ」なんて思ったこともないし、今も思わないです。サトさんだって、WBCで世界のベストナインに輝いたり、ロッテでは下剋上からの日本一になったり、自分で言うほど「ノンキャリア」ではないと思うけど......。