おひとりさま「40代・50代・60代」の貯蓄の平均額はいくら?年代ごとに確認して備えを
ひとりの老後「年金だけ」で暮らせる?【厚生年金・国民年金の平均年金月額】
老後の柱である、公的年金の平均年金月額も厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より確認しましょう。 ●「国民年金」平均年金月額 ・全体の平均月額:5万6316円 ・男性の平均月額:5万8798円 ・女性の平均月額:5万4426円 ●「厚生年金」平均年金月額 ・全体の平均月額:14万3973円 ・男性の平均月額:16万3875円 ・女性の平均月額:10万4878円 国民年金は5万円台、厚生年金は男性で16万円台、女性で10万円台でした。 ただし年金は加入状況による個人差が非常に大きいのも事実です。 日本の年金は国民年金と厚生年金の2階建てとなっており、加入期間と厚生年金は収入に応じて納めた保険料で将来の受給額が変わります。 人生100年時代だからこそ、早くからねんきんネットやねんきん定期便で将来の受給予定額を確認しておきましょう。 公的年金の不安は多くの場所で語られますが、受給開始から終身でうけとれるところは一つのメリットです。 現役時代のうちに、国民年金のみであれば厚生年金に加入する働き方を検討する、厚生年金であれば収入を上げる方法を考えるなどを検討するといいでしょう。
おひとりさま「50歳時点」で男女ともに約3割に。早くから老後の備えを
はじめの国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2024年)」によれば、未婚・離別・死別をあわせた50歳時点でのおひとりさまの割合は男性で35.25%、女性で29.94%。約3人に1人となっています。 推移をみると、未婚と離別が男女ともに増加しています。 先ほど確認したように、公的年金のみで生活するのは国民年金では厳しく、また厚生年金であっても実際には月1万円未満~30万円以上と個人差が大きいものです。 年金も貯蓄額も個人差が大きい、つまりどのように自分が備えていくかになります。 現代はiDeCoや新NISA、個人年金保険など、老後資金のための資産形成も少し前に比べるとはじめやすくなりました。忙しい日々の中での貯蓄は忘れてしまう場合もありますから、毎月一定額を積み立てたり、投資したりする方法などを利用して、仕組みで老後資金対策をするのもいいでしょう。 一方で投資にはリスクがありますから、きちんと情報収集をして自身が許容できる範囲でおこなうことが大切です。 働き方も多様化しており、現役時代から年齢を重ねても働き続ける方法は多数あるでしょう。 選択肢が増えている現代だからこそ、情報収集を重ねて自身に合った老後対策を考えてみてください。 ●【ご参考】60歳代・ひとり以上世帯の貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む) ・金融資産非保有:33.3% ・100万円未満:8.5% ・100~200万円未満:4.7% ・200~300万円未満:2.8% ・300~400万円未満:4.3% ・400~500万円未満:2.4% ・500~700万円未満:3.5% ・700~1000万円未満:2.8% ・1000~1500万円未満:6.6% ・1500~2000万円未満:4.5% ・2000~3000万円未満:8.0% ・3000万円以上:15.1% ・平均:1468万円 ・中央値:210万円
参考資料
・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」 ・国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」
宮野 茉莉子