27年間でおよそ6,000件の迷子のペットを捜索…「見つかる確率はどのくらい?」ペット捜しのプロが語る
放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。今回の放送は、「ペットレスキュー」代表の藤原博史(ふじわら・ひろし)さんをゲストに迎えて、お届けしました。
◆ペット捜しのプロ“ペット探偵”の仕事に迫る
「ペットレスキュー」を開業して27年になる藤原さんは、迷子になったペットを捜索するプロ、いわゆる“ペット探偵”です。これまで、数多くの依頼がペットレスキューに届くなか、「実際に捜索したのは、約6,000件」と言います。 ペットの迷子捜しの依頼がきたときに、最初にやることは「プロファイリングです」と藤原さん。「40項目ほどの聞き込みをおこなって、いなくなったペットの性格や1日のタイムスケジュール、好物や周りの地形などを徹底的に聞き込みをして、そのペットに最も適した効果的な方法を組み立てて捜していく、という手順になります」と説明します。 まず小山からは、「見つかる確率はどのくらいなんですか?」と気になる質問が。これに、藤原さんは「平均7割から8割ぐらいです」と回答します。 迷子になっていたペットが無事に見つかったときの飼い主の喜びぶりたるや、「皆さんおっしゃるのが、『(ペットがいなくなったのが)今まで生きてきて一番悲しい出来事だった』と。散々ご自身でも探されているので、もう見つからないんじゃないかとあきらめている方も結構いらっしゃるんですけど、再会されたときの喜びは“とてつもないこと”なのかなと思います」としみじみ。 お礼の手紙やメッセージが届くこともしばしばあるといい、「いなくなった当時の心境とか、見つかるまでの不安な日々とか、見つかってからのいまの生活とか、励ましの言葉や感謝の言葉をいただくことが、より強い原動力になっています。ありがたいことです」とやりがいを語ります。 藤原さんによると、これまでで一番依頼があったペットは圧倒的に「猫」。次いで「犬」、3番目が「鳥」だそう。 宇賀から「これまで依頼があった変わったペットはいますか?」との質問に、藤原さんは「あらゆる動物の依頼が来るので……ヘビとか、トカゲとか」と答えます。 なかには、こんな珍しい依頼も。「小学生から『飼っていたクワガタが飛んでいってしまった』と。小学生からお金はいただけないので、すごく効果のある蜜の作り方を伝授して、『家の近くの木に塗ってごらん』と。塗ったところ、数十匹のクワガタやカブトムシが集まってきて……(笑)」とエピソードを語ります。 これに、すかさず小山が「それは探したんじゃなくて、ただ他のを捕まえただけじゃないですか(笑)」とツッコミを入れると、藤原さんは「終わりよければすべてよし、シャンシャンと(笑)」と笑顔をのぞかせる場面も。 藤原さんは、ペットを迷子にさせない飼い主としての心構えについて「毎日毎日、危機感を持って過ごすというのは現実的に難しいと思うんですけれども、他人事ではなく自分の身にも起こるんだという認識や危機感が、未然に防ぐことにつながる第一の要素なのかなと思います」と力を込めます。 そして最後に、現在ペットを飼っている人たちに向けたメッセージとして「ペットって“飼っている”みたいなニュアンスがあるんですけど、実は“飼われている”というか。ペットはいろいろな側面があって、親であったり兄弟であったり、友人であったり、子どもであったり、さまざまな要素を兼ね備えているんですよね。そんなかけがえのない素敵な存在であるペットと、幸せな人生を送っていただきたいです」と思いを語りました。 (TOKYO FM「日本郵便 SUNDAY’S POST」放送より)